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悪役派遣所〜異世界でヒール役をやって下さい〜

作者: 神月いろは

悪役派遣て?

「ただいま」“シーン”一人暮らしだから『おかえり』はない。


すぐに風呂を洗い給湯を開始し、湯が張る間に洗濯物を畳む。作り置きのおかずを温め直しお味噌だけ作る。さぁー準備万端!ネットニュースを見ながら夕食を済ませて食事のコーヒーを飲みパソコンを開けて今日の情報を入力しておく。

ここまでが私の夜のルーティンワークだ。


明日はやっと休み。朝一からマッチングをし派遣しないと。


私は神内鈴香。25歳独身で彼氏なし。

都内一頭地に叔母から譲り受けた平家一軒家と家の裏にはマンションも所有している。仕事は役所で案内係をしていて所謂公務員で生活は安定している。


平日は役所勤めをし週末は副業をしている。

この生活を始めて半年が経った。やっと慣れて来たから叔母の様に私もあっちに行ってみようか検討中だ。


夕飯の片付けをして風呂に入る。ダイエットと人材探しを兼ねて通勤に片道1時間歩くから足が疲れている。湯船で軽くマッサージすると疲れが解けていく感じだ。


毎週末はあっちに行く決心するが勇気が出ず先送り。叔母の様になるのが怖いのだ。叔母は幸せそうだが私にはあの変化についていけるか不安…


お風呂上がりあの扉を開けてみた。また棚が増えている。評判がよく棚(客)が増えるペースが早い。

なかなかマッチングしない案件は半年も待たせている。今日は職場に非常識な人が多く”印”をいっぱい付けたからやっと人を送れそうだ。


棚から手紙を回収して扉をしめた。

明日は忙しいから早く寝よう。戸締まりを確認してベッドに潜る。

寝る前にスマホチェックすると大学の友達から合コンのお誘いがあった。速攻で断りを入れると長文を送りつけられた。


「すず!いくら適齢期が30近くになったとはいえ、私たちアラサーだよ!そろそろ相手見つけておかないと、優良物件は直ぐ売れちゃうんだからね。特にすずは処女おとめちゃんだから男慣れしないと…」


ゔーん大きなお世話だ。いい子なんだけど…ね…

既読無視をしよう。


彼氏ね…特別必要性を感じていない。私も思春期には彼氏も欲しかったりしたけど小心者で片想い止まりだった。叔母の様にあっちで見つける?


毎日通勤で歩くから不眠知らず今日もおやすみ5秒だった。


規則正しい生活をする私は休みの日でも6時に起き家事をこなす。朝の家事がひと段落したら朝食を取りパソコンでスーパーのチラシをチェックしメモをとります。スーパーも非常識な人多いから期待出来そうだ。


さて書斎に籠りパソコンに纏めた人材ファイルをじっくり読み、今日あっちに送る人を選ぶ。今日は3人に決定。(私の)調子がいい時は5〜7人送るが今日は調子テンションが上がらないから3人が限界だ。


次は決めた3人に合う世界を考える。この作業が一番時間と神経を使う。2時間弱かかりやっとマッチングし、あっちに渡す取説を作り下準備は完了。

あの扉を開け今日派遣する世界の棚に書類を入れる。書類は直ぐに消え直ぐに金貨が1枚現れた。

この金貨は前金になる。

「毎度あり」3つの棚の金貨を部屋の隅にある、30cm角のキャンディボックスに入れる。

結構貯まって来たなあ…そろそろ換金に行こうかなぁ…


毎回派遣時は緊張する。送る人材の”印”を間違わない様に”印”を書いた紙を棚に入れる。

棚は光を放ち“印”を書いた紙は消えた。

派遣完了!無事渡った様だ。いい仕事して来て下さいね。帰還は長かったら半日かかるから、その間に買い物に行こう。


今日は一番長く待ってもらった世界に人材を送れて気楽なった反面、報告書を見るのが怖い。

異世界で特有の”何でも有り”が効いて変な事にはなった事は無い。だけど小心者チキンだから完了するまでは気が抜けない。


買い物から帰り昼食を取り平日の食事の作り置きを作り洗濯を取り込む。

そろそろ帰還してるかなぁ⁈

あの扉を開けて今日派遣した世界の棚を見ると、報告書と金貨が1枚入っている。派遣した人は無事戻った様だ。金貨をキャンティボックスに入れ報告を手に書斎に行き、報告書に目を通す。

結構この報告を読むのが一番の娯楽である。下手な異世界小説を読むより楽しい。だってこれはリアルだからね。


報告書を『完了』のファイルに閉じお仕事完了!

半年待たせた依頼を処理出来て安堵する。

今日は久しぶりに晩酌でもしょうかなぁ〜




私が何をしているかって?所謂人材派遣です。

それも派遣先は異世界で派遣するのは『悪役ヒール』である。異世界は平和で善人しか居ず、どうしても単調になる。たまに悪人を入れる事で刺激になり異世界が活気付くそうだ。

依頼主は主にその世界の神や創成者。希望する人材を紙にしたため送ると、うちのあの扉の部屋に届く。届く棚が正にメールボックスになっている。

私は日常的に悪役ヒールの素質のある人を探し、見つけるとその人に”印”を付与する。


後は双方をマッチングさせ派遣するという訳だ。

派遣される人の人格や人権無視!と思われかもしれない。しかし異世界の変な力により送られ異世界で最長半年過ごしても、送られた時間軸に1秒も変わりなく戻って来るので派遣された人の生活に支障は出ない。

ちゃんと報酬も渡しているよ!こちらに戻る時に金貨1〜3枚をポケットやその人の持ち物にしのばせています。派遣されは人は恐らく白昼夢を見た感覚だろうと思う。


一応決まりがあって派遣者の身の安全。これに精神的にも含む。又派遣者は仕事完了後は必ず帰す事。

また派遣者が帰還を拒んでも帰す事が約束されている。今までこの約束は破られた事は無い。

もし派遣者が帰りたく無いと異世界に居座った場合には、私が迎えに行かないといけないから勘弁して欲しい。そんな事は叔母の代では無かった様だが、それ以前は分からない。本当にやめて欲しいです。


何故ウチに異世界と繋がる扉が有るのかは分からない。叔母も調べたが分からなかった様だ。

また派遣者に“印”を付与する能力もなぜ備わっているのか分からない。

叔母は「分からない事だらけだけど、問題無いからいいんじゃない⁈」と言っていた。楽天家の叔母らしい。


報酬の金貨は一部は慈善事業に年1回寄付している。これは少し後ろめたさが有るかららしい。


夕刊を取りに居間を出るとあの扉前で止まる。

あっちに行ってみるか悩む。扉はメールボックスだけで無くその奥にもう1枚扉があって、異世界と繋がっている。叔母は扉を使い異世界を旅していた。

力を継いだ私も行く事が出来る。行ってみたい気持ちもあるが怖い。

叔母みたいに帰りたく無くなりますそうで…

今日もまた異世界に渡る決心が付かず扉を素通りした。


いつかは…


明日は金貨の換金をして春物を買いに行こう。またいい人材に会えるかなぁ⁈

お読みいただきありがとうございます。

短編予定ですが要望が有れば続きを書きたいと思います。


別に『女神の箱庭は私が救う』を執筆中です。

文才も無いのに趣味で書いています。

読み辛いかもしれませんが、こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

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