表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集「再见」  作者: 維酉
トーキー
7/35

夕暮れのこと。

帰り道 影踏みをして遊んだ。

コンドームみたいに薄く伸びた影が 天国へ伸びていくのを見た。

踏んづけたところにちょうど蟻が居て ごめんよと笑った。


それはたしかに春だった。

悪魔になったあたしたちのつれづれ。

神様を嬲り殺すように 飛行機を折って飛ばした。

それは不格好に滑空して まーちゃんの耳に当たった。

哀しみに圧し潰されそうな眼をしていた。


あたしはまーちゃんが好きだった。

はかなげで やわらかくて 瀬戸物だった。

割れるのは 一瞬。

ヒビの入るころが ひどく長い。

地面に落ちる影に そのヒビはうつらない。

いまもまだ見えない。

かのじょが歩き 落とす その影に 隠れてしまったヒビ。

あるとわかっていても 見えない。

まだ見えない。


神様は 死んでしまったから 頼れない。

ほしのまほうにすがるしか 残されてなかった。

ほうきぼしに願をかけて まーちゃんが割れませんように 割れますように と祈った。

あたしはまーちゃんが好きだった。

日々 哀しみのなかで悶えるひとの夢想を かのじょはした。

あいは つねに裏表が反対に波動する。

あたしは 影踏みをして遊んだ。

夕暮れのことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ