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蝶
銀色の蝶が
街を彷徨わないとは思わない
探せば そんなもの いくらだって
きらきら鱗粉振りまく蝶が
銀色の蝶が
見つかるような気もする
その蝶は
おそらく西の海を渡って
この島にたどり着き
ゆったりと羽を広げ
いま飛んでいる
見つけてみても
きっと なにがあるでもなかろうが
ただ 銀色の蝶は
どこかにいるだろうと思う
それが銀である必要はどこにあるのだろう
それが蝶として舞う必要は
でも それは銀色の蝶でなくちゃだめだ
絶対にそうだ
ひらひらと舞う
ひらひらと生き 途絶える