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右
宇宙がどこまでも完璧なら
あたしに欠陥があるはずないよ
隅々まで突き詰めても
文句のつけようがないくらい
完璧であるなら
内観的文学の限界
荒波立つ大洋のサイン
頼りないボートじゃ
流されないので精一杯
広い陸地も歩けなくて
空も飛べやしないのなら
この大洋を往くしかない
いま
途方もなく奥行きのある
右に聳えた塔
その中
目を回すような螺旋階段の
一番突き進んだ先から
濁流が押し寄せる
後世、
伝えきれない
遺しきれない感情の残滓が
きみを求めてやまないよ
鳴って鳴ってうるさいんだ