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遠い
望遠するひとびと
どこかの星に探査機がおりた
名前のしらない星
ゆめうつつの惑星
まっくろに溺れたきらきら
光線が空間を裂く
ほんとうの裏に心臓がある
砂にひび割れた涙を
ビニルで包む季節
白い勇敢さを剣として
青を盾に
いまときれいに呟かないで
わかりあえない星だってあるよ
慣性にすがったって見えない距離がある
くさぐさのきみより遠くを望めば
感情は弧を描いてぴたりと止まる
目の前に落ちる月
反転する夜
ここに青い青い旋風
はっと振り返れば
夜は退屈を喰い散らかしていたよ
暗がりに刺さる死骸のエネミー
風蘭に星
きらきらなんて落ちたよ
ずっと震えていたから