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ビニル傘
青か白かむらさきか
判断のつかない雨に降る
鋭い刃で切り開いた
文明の腹はわからない
高架線、溶けた
月曜日のさめざめとした朝
腹をすかせた羊たちと
ラッパを吹いて目覚める朝
近いところになにもなく
遠いところに君がいて
あてもなく
名前をこの手で
掴もうとしていたり
ビニル傘に乗って
あの日の空に飛び立ってみたい
あまり夢を見なかった
あの日のあたしを叱ってみたい
手のひらは
まだ小さかろうとも
なんでも掴めたはずの
君の名前
名前すらないストレンジャー!
メトロポリスを壊そうじゃないか