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詩集「再见」  作者: 維酉
きみの住むまち
14/35

たまご

殻に包まれて

やわらかいものはやわらかいまま

液状であることに誇りを持ち

哀しいことは哀しいという

そんなきれいなひとならいいけど


高架線

きみの待つ場所のはなし

抜き去っていく赤い自転車

アスファルトと虹

あの日の太陽の引力は

あたしたちを

ぐっと引き寄せたまま

電話を切る

青信号に切り替わる

雑踏に紛れ込み

このひとつでしかないと

ふと思って 無性に空虚になる


どうか

道端の石ころのような

ふとしたとき きみの素足を傷つける

ささやかな存在にしてください


いま手を伸ばし

きみの素肌に触れて

やっとのぬくもりを

やわらかな殻のうえでも

撫ぜて あたためてしまって

あしたは

仕事終わりに

お酒でも飲もうか

安い発泡酒でも買って

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