明智光秀
第3章「明智光秀」
私は明智軍に捕らわれ,そこで尋問を受けていました。
まだ信じきれていませんが,ここは平成の世ではないのです。
明らかに服装で浮いているのも確かですが,何か現代人とは違う殺気だった異様な気配を感じました。
私 「私は平成という時代に生きている者で,名を大和と申します。いつものように愛車を走らせ,山道に入りしばらくした所で史跡を見つけ,随分走っていたので一休みもかねてここを訪れました。そして花のような紋章の入ったカケラを手にした途端,意識を失い,今に至ります。」
私 「ここはどこですか?平成の時代なのですか?」
光秀 「大和と申したな。儂は十兵衛。平成とはどこの国の事か?何を申しておるのかわからぬが,今は天正7年(1579年)。目の前の戦は丹波国八上城の城主“波多野秀治とその弟波多野秀尚”が反旗を翻した為,その討伐にあたり,親方様の命を受け丹波国へ進攻,平定を進めておる。」
不思議と言葉は通じる所がありました。
光秀 「たいそうな名であるが容姿といい,見かけぬ顔,どこの国の者か?波多野の兵であれば捕虜として捕らえねばならん!!」
私 「波多野と申される方が誰なのか存じていませぬが,私は平成の世から来た・・・。」
私 (「よくわからないがここは戦国時代!?1579年!?・・・すると439年前の日本,丹波篠山辺り・・・過去に来た!?ではこの後に起こる事は・・・。」)
光秀 「また平成か?途中で言葉をつまらせたが何か申しにくい事があるのか?」
周りにいる家臣達が歩み寄り,刀を抜き始めます。
光秀 「返答次第で首をはねる。言葉に気を付けよ!!」
私 「お待ちを。私にもまだ何が起きたのか理解できておりませぬ。十兵衛様,丹波国の平定を進めておられるのですね。必ずやお役にたちましょう。少し時間を頂きたい・・・。」
(「天正7年,丹波国平定を行う。私が知る限りでその人物は確か・・・明智光秀。そう目の前にいる人物は歴史に名を刻んだ“明智十兵衛光秀”。私は驚きを隠せずにいられませんでした・・・。
」)
光秀 「あいわかった!!今は目の前の八上城を攻め落とす事が先である!!大和とやら,素性のわからぬ奴だが我が軍に加わり尽力を尽くせ!!妙な事は考えるな,その首無いと思え!!」
私 「御意!!」