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願い  作者: 大和
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出会い

第2章「出会い」


 ドゴォー!! 「オオッー!!」 「ウォーッ!!」   


 あまりの異様な物音に目が覚めました。

 「何が?」?が頭から離れません。

 少し前,私はとても静寂な所にいたはずです。

 徐々に意識が戻った事を確認し,改めて周囲の状況を把握する必要がありました。

 目の前で起きている事は明らかに(いくさ)です。

 鎧兜(よろいかぶと)を身にまとい,馬にまたがる者,槍をふるう者,刀と刀を激しくぶつからせ,そこにいる人々は戦っていました。

 「意識を失っている間にここで戦のショー(イベント)が行われる事になっていた?・・・。」

 自分にそう言い聞かせるも「確かに国道沿いではあったが,これ程盛大な戦のショー(イベント)を行うのにこれまで誰ともすれ違っていない・・・,しかしこれはイベントだ!!」と半端(なかば)強引に納得しました。

 その納得も数秒後には再び疑問とそして恐怖に変わります。


 「オオオッ!!覚悟!!」

 「グハッ,ー。」


 今,明らかに刀で人が切られるのを目撃しました。

 そして切られた男の患部からおびただしい血があふれだし,周囲を赤く染めています。

 切った男は切られた男の首を躊躇(ちゅうちょ)なくはね,その首を持ち上げていかにも敵の大将をしとめた感情を喜びで表現しており,現代人の我々には少なくとも理解できない戦いが目の前で起こっていました。


 「これはもしや本当の(いくさ)・・・。では一体ここはどこで,何の為に人々は戦っているのか?・・・。」


 急に,色々と疑問が浮かびましたが我に帰り,自分も危険な状態にある事に気が付き,「とにかく隠れよう・・」と身をかがめ,その場から立ち去ろうと体を反転させた時,声をかけられました。


 「貴方(そなた),ここで何をしておる?波多野の兵の者か?」


 私に話しかけた男の(かぶと)に見覚えがあります。

 彼の兜には*桔梗紋(ききょうもん)という花の家紋があり,意識を失う前に手にした何かのカケラにもその紋章が入っていました。

 

 *桔梗紋(ききょうもん)・・・キキョウの花,葉,茎を図案化した日本家紋の一種。


 私に話しかけた人物・・・彼は“明智惟任日向守光秀”(あけちこれとうひゅうがのかみみつひで)であり,後に“天正10年6月2日 本能寺の変”において主君である“織田信長”公を討つ為に謀反を起こし,“3日天下”や“逆賊”の名を後世に残す事になる人物と,まだその時はわかっていませんが私は出会ったのですーーー。

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