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フラグ回避って難しくねーか!?  作者: 乙坂キルハ
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第1話 フラグと異世界召喚

初めまして!乙坂キルハです。おとさかと読みます。初めて小説を書いて初めての投稿となります。誤字脱字や読みにくかったりと至らぬ点が多いと思いますが温かい目で見守って下さい。

「こらー!待てー!!」


 俺は今逃げている。


「止まりさい、そこの不審者!」


 一生懸命逃げている。

 くそ!!あれもこれも全部あいつらのせいだ。

 こんな事になるならあんな事しなけりゃ良かった。


「止まれって言ってんだろ!!」


 さっきまで丁寧口調だった警官も半ギレ気味で俺を追いかけてくる。


「なんでだよーー!!!」


 俺は叫びながら夜の住宅街を駆け抜けた!!



 今日は7月21日、終業式が終わりようやく夏休みが始まろうとしているのに…。


「なんで俺がこんな事……」


  ブツブツ言いながら深夜のマンションにやってきた。

 やってきたと言っても扉を開けて数歩歩いただけだが。


 ここは俺、色島悠旗しきしまゆうきが住んでいるマンションなのだが心なしかいつもと雰囲気が違って見える。


「もう着いちゃったよ…」


 自分の部屋がある7階からわざわざ階段を使って降りてきたというのにあっという間に着いてしまった。

 1階のエレベーターを前にして大きなため息をつく。


 俺は今からとある都市伝説を試そうとしている。

 異世界エレベーターってやつだ。

 10階以上ある建物に行って特定の階層を昇り降りするあれ。


 何でそんな事になったのかと言うと、じゃんけんに負けたから。

 ただそれだけ。


「最初はグー、ジャンケンポン!」

「よっしゃー!悠旗の一人負け~」

「ほんと悠君ってじゃんけん弱いよね?」


 複数の友達と何かしらのゲームをして1番負けたヤツが罰ゲームを受ける。

 そんなくだらない事にはまっていたのだ。

 今日のゲームが苦手なじゃんけんだっただけ。


 そんなこんなで罰ゲームを受ける羽目になったのだが、今にして思えば適当にやったとか嘘をついておけばよかったのでは?

 いくら後悔しても無意味だが悔やみに悔やみきれない。


 これから自分の身に何が起こるか(つゆ)も知らない俺は律儀にエレベーターに乗った。


「頼むから何も起こらないでくれよ‥‥…!」


 ピコンッ!


 何かの音が聞こえた。

 携帯の通知だろうか?

 しかしながら今の俺は恐怖で携帯を気にしている余裕は無かった。


 異世界に行く手順としては1階からスタートし指定の階を昇り降りすると若い女性が乗ってくる。

 そして1階を押すと1階には行かずなぜか10階に行き、そこで降りると異世界に行き着くというものだが、案の定女が乗ってくることもなく10階に行くことも無かった。


 1階に到着し扉が開くときは少しヒヤッとしたが何事も無く、ほっと胸をなで下ろした。

 すると緊張とストレスでかなりお腹がすいていることに気がついた。


「近くのコンビニでカップラーメンでも買ってくるか!」


 恐怖から解放された喜びで意気揚々とマンションの自動ドアを通るとそこはもう異世界だった。


 見た事も無い風景に日本にはないような西洋風の建物。

 深夜帯にも関わらずその異様さは見てとれた。


「ここどこだよ……」


 何が起こったか頭では理解していても認めたくないのが本心だ。


「どこって‥‥どう考えても異世界だよな‥‥」


 そうここは異世界なのだ。

 ラノベなんかではド定番の設定である。

 かく言う俺も異世界召喚に憧れていた時期もあったが、それにしたって唐突すぎる。


 しかし意外にもこの状況をすんなり受け入れている自分がいる。

 常日頃から中二病をこじらせていたのが功を奏したみたいだ。


 確認ついでにさっと辺りを見回すとさっきまであったはずのものが無くなっている事に気づいた。


「マンションが無くなっちゃてるよ‥.」


 当たり前といえば当たり前なのだがいざ元の世界に戻れないことを突きつけられるとつらい。


 行くあても無いのでウロウロさまよっていると前方に人影らしきものが見えた。

 走って近づくとやっぱり人間だった。


「あの‥‥すみませ」


 声をかけようとしたところで言葉を失った。

 相手はかなりの美少女だった。

 おそらく今まで見てきた女の人の誰よりも可愛いきがする。


「すみません。道をお尋ねしたいのですが!」


 すると彼女は少し困った顔をした。

 やっぱ可愛い!!

 絶妙に憂いを帯びた顔が可愛いらしさを際立たせていた。

 これって運命の出会いなんじゃねーの!?

 最初にあった人物が実は重要キャラだったとかいうやつじゃねーの!!?


 そんな期待を寄せてウキウキしていると、彼女の困り顔が徐々に険悪な表情に変わっていった。

 まるで今にも叫びだしそうな。

 ピコンッ!

 まただ。

 また携帯の通知のような音がした。

 しかし携帯には何の通知も来ていない。

 それに今の音が彼女には聞こえていないようだった。


 ‥‥あれ?

 ふと彼女の方を見ると頭に緑色のビーチフラッグの様なものが立っている事に気づく。

 しかも何か文字が書いてある。

 ……"助"?


「すみません。それってな」


 んですか?と言い終わる前に彼女が食い気味で悲鳴をあげた。


「キャー!変態ーー!!」


 変態?誰が?


「あの…叫ぶのやめてもらってもいいですか?」


 やめるように言っても一向にやめる気配は無い。


「近寄るなこの変態!誰か助けてー!!」


 挙句の果てにこの言われよう。

 そろそろ退散しようかなと思った矢先、遠目でも分かるほどガタイのいい男が走ってくるのが見えた。


「どうかされましたかー!」

「お巡りさん来てくれたんですね!」


 どうやらこの男は警官らしい。

 今からしなければならない事を考え軽く準備体操をする。


「この男がいきなり私を襲おうとしてきたんです!」


 どうやらこれがいつもの対処方法らしい。

 そんな根も葉もない事をいきなり言い出した女を睨みつけると、女は美少女らしい満面の笑みでこちらに手を振っていた。


 このクソアマ!!

 覚えてろ!

 今度あったらその体ひん剥いてやるからな!!!

 そんな三下の捨て台詞みたいな事を思いながら俺は全速力で逃げ始めた。




第1話読んで下さりありがとうございます!

批判コメントやアドバイスなどどしどし下さい!

もちろん高評価コメントも頂けると嬉しいです!!

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