天の眼(3)(主人公発生)
『うん、立派な壷だね。高そう』
ジーーー。[・・・・・・・・]
くるり?『ですよね?お高い壷ですよね?』
ドキリ。[・・・・・・・・。]
『・・・・・・・・またムシされた』ぼそり。
[・・・・・・・・]
**
ゴロリ。
ノゾキ、ジーーー。
(また、床に寝ころがった、)
ゴロ、ゴロ、『・・・・はあ、暇だな。』
ジーーー。(・・・これは、床に寝転がる事をお止めする為に、トラー殿に報告した方がいいのか、いや待て。天上のお方の習慣だと、言われて終わる気がする)
ゴロリ。『・・・ネット検索プリーズ・・・、』
[?]、サッ、シラベ!、ペラペラ、
(ニェット、ニェット、・・・?、これか?ナットウ、大豆を糸を引くまで発酵させて食べる、健康食品か)
『禁断症状、・・・高まる。』ゴロリ。
[・・・・・・・・]
『独り言、・・・・・連発。』ごろり。
[・・・・・・・・]
ごろ、『ん?やっぱりこの畳、イグサのニオイ、しないな。でもなんか、草臭はする』クンクン。
ハッ![!?]、
(うつ伏せて、動かなくなった。大丈夫だろうか?)
クンクン、クンクン、フンフン。
[!!!!っ!!、]、
(なんだと、もしや、犬の様に、座敷の臭いを嗅いでいるのか、!?、ああ、そんな、)
『アロマ森林系の香り、強まればオヤジコロンと紙一重。・・・まあ、そこまでグリーン系でもないか』クンクン、フンフン、ごろり、ぼんやり。
ブルッ![・・・・・・・・・・・・っ、]、
(ああああ、ああああ、ああああ、そんな、)
**
[どうした?セスサ]
[あ、え、トラー殿、あの、あ、いえ、何も、]
[?]スタスタスタスタ・・・。
(っ、言えない。この秘密は、私が天まで持って行く)キリッ!
ここに登場した健康食品(即席手造り納豆)だが、臭いに敏感なVIP客の気持ちを配慮した裏守備位置の警備担当スタッフが、料理担当者に命令して夕食に用意させた。だが、配膳コーディネイトなどの全てを取り仕切る女性マナー現場監督により、異臭がすると敢え無く却下された。




