ばらまかれた手配書(4)(その場の追記)
「蛇魚の獣人に関する調査は、エスクランザの者よりも巫女様にご協力頂こう。あの方は、ガーランドの黒竜でさえ躾けられる方だからな」
「了解。・・・あと、そのこれは報告すべきか・・・」
「なんだ?」
「王宮近衛隊からの報告で、その、」
「?」
「隠し通路東にて、天上の巫女様の私物が回収されたと報告されたのですが、」
「区切らず話せ」
「拾得した近衛隊長から引き継いだものの、拾得物管理責任者が取り扱いに、少々困惑しており、」
「くどいぞ。その問題の拾得物は、何だと聞いているのだ」
キリッ!「はっ。幼児用下穿きです」
「・・・・・・・・」
「幼児用、下穿きです」
「そこを、区切って繰り返さなくてよし」
キリッ!「はっ。その下穿きの保管理由が特になく、かといって、巫女様の物だと断定されたそれを、ただの幼児用下穿きだと廃棄物扱いする事も出来ず、現在は、管理責任者の引き出しにて施錠管理しております」
「・・・・・・・・」
「その部隊の隊長より、更に私に報告が来たのですが判断に迷い、テイル少佐にご報告致しました」キリッ!
「・・・何故ここまで上がってきたのだ?単純に、持ち主である巫女様に、早急にお返しすればよいではないか」
「それが、巫女様が下穿きを隠し通路に紛失した過程に、統轄師団長が深く関わっているとの事であります」
「・・・・・・・・ん?」
キリりっ!「下穿き紛失の過程に於いて、見た目が少女の巫女様が、隠し通路にて統轄師団長の手により脱がさ「ゴホンッ!!!」
「・・・・・・・・」きりっ。
「・・・・・・・・ゴホン。」
「これをどの様に処理すべきか、天上人と統轄師団長が深く関わる問題に、判断を慎重とせざるを得ませんでした」
「・・・・・・・・分かった。この件は、私が責任を持って処理する。可及的すみやかに、その拾得物を私に届けるように」
「・・、はっ。」きりっ!
「なんだ?今の間は?」
縦社会における機転と応用を一切許さない、マニュアル通りの報告制度。この報告責任の所在は、結局は最高責任者に辿り着くのである。そしてこの国では、全てを束ねる最高責任者の行動は周囲により徹底管理されているのだが、飲食物から身に着けるブランド、付き合う女性の体重までもが把握され、幼女の下着に興味を持つという特殊な趣味も、裏側で管理と隠蔽工作が行われるのである。




