姉からの命令書(主人公発生)
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「それが署名。で、その上に、指輪印章を判する。そうすると、月の終わりにまとめて代金を払うんだ」
『それって、ツケバライ?それはクレジットでの分割ですか?それとも金利がマシマシリボ払い?キャッシング?怖い、』
〈ツケ・パライ?〉
『ポイントは付くのですか?』
〈ふぉいんと?〉
〈何ですか?ふぉいんとって、〉
〈分かんないな。鳥の種類か?〉
『ディー?それともティー?それと同じレベルのアルファベットはこの国ではなんですか?弟は持っているのですか?』
〈何に引っ掛かったんだ?何の話だ?〉
〈印章か署名でしょうが、・・・なんか、真剣な顔ですね〉
『どこが一番、利用可能店舗が多いですか?教えて下さい』
〈〈・・・・〉〉
『ポイント、タメル、ダイジ。』
〈なんかその子、アーウーアーウー、ナナナナ、ナナナナ言い出したぞ?大丈夫ですか?〉
〈テンテンて、何だ?・・・玩具?〉
『以前の失敗は取り戻す。増やさない。カードばっかり増やさない。ここではまとめる。有効活用する。失効させない。あれ?』
じーーーー。
『私の話し、聞いてます?ポイントというリピーター獲得システム、この国の言葉に置き換える事が難しいのですが、少しはジェスチャーで伝わりました?』
じーーーー。
『無視?別の話してない?あれ?この人たち、』
じーーーー。
(・・・・)
『ぷるりん見てる?』
ぷるり、(・・・ハア・・・。)
「メイ、署名ってのは貴族とか、金持ちの支払い方だからな。・・・貴族でも、下級は無理だしな。こんなの当たり前なのは、隊長級か、うちではストラ上士かセンディオラ上士くらいだから。俺はその場で現金払い」
ノゾキ(ふるり)。
ぷるり、(そうだよな、そういうもんだ。俺もファルドでは、金を払った事など無い。金を持ち歩いた事も無い)
こくり。(弟のお財布、小銭が満載。落としそう)、
〈金、なくすなよ〉
「わかったわかった。お前、ガーランドの雑な発音だけは上手いよな。・・・まあ、俺らが悪いのか?聞かせてるから?」
『コゼニ、ダイジ』
「コゼニ?」
『ダイジ。一円を笑う者は、一円に泣く』
様々なお得が増すポイント制度。だがこの国では、数字によってコツコツと貯めるシステムが無いことを、この時の主人公はまだ知らない。