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気まぐれワンシーン  作者: とにあ
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お姫様

 事故で家族すべてが助からなかった。そんな話を聞いたのはその日の授業を終えて寮の談話室でいつも通りにじゃれてた時間。そこからはすべてが流れ作業で過ぎていくようだった。母のいとこだという男が保護者として色々取り仕切っていった。まずいと気がつくべきだったんだろう。だけど、状況を理解することを心が拒否していた。寮では普段通りに過ごして忘れていたかったんだ。

 学校を続ける財力も無くなってはじめて問題に気がつかされた。助けを求める勇気はなかった。

 笑って席をもう並べられないと伝えて驚いた顔の友人達を見回す。

 素早く距離を置くことを決めた顔。興味なさそうな顔。ショックを受けて問いただしてくるやつ。心配そうにうかがうだけの顔。


「次の休み、うちに泊まりに来てよ」


 さらっと空気を読まない年下の友人。


「あー、そりゃいいな。旅費は気にしないで遊びに来いよ」


 最後の記念のつもりなのか入学以来の悪友がのってくる。そういえば、こいつ絡みで知り合った友人だった。

 その場所で幼い少女に求婚されるだなんて誰が想像する!?

 彼女は家族の中でお姫様。

 おままごとの延長のようなものだからつきあってくれと悪友にすら頼まれる。

 なにが変わるのかと心配したら、確かに変わった。お姫様を守る為に不審な相手を除去すると言って家族の遺産を掠めとった保護者が排除され、そのまま学業を続けることを要求された。

 彼女はふわりと微笑む。


「ステキになってくださいね」


 お姫様の真意を知りたく思っても悪友や年下の友人(お姫様の兄)が邪魔をする。

 わかるだろうか。

 望まれたはずなのに彼女は私を望んでいない。

 気がついた時、彼女をわがままなこどもと見れなくなった。

 それでも、まだどうみていいのかわからない。


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