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鏡
鏡にうつるのは黒髪にブラウンの目の女の子。
兄さんたちも姉さんも金髪に青い瞳。母さん似で私だけ黒髪の父さん似かといえばそうじゃない。
そのあたり父さんの方針ははっきりとしていたから。小学校に上がる前に私の生みの親や親戚はたった一人を除いて災害で亡くなったと教えられた。
愛されていたし望まれていたし、望まれて父さんと母さんの娘になったと知っている。
それでも。
もう少しだけ瞳が青や緑に寄っていればいいのに。
もう少ししなやかな白い肌ならよかったのに。
家族との差に、差異に気がひけてしまうのだ。
知らない方がよかったとは思わない。でも、知らない方が幸せだったかもしれないとは思ってしまう。
視線で追う家族たち。
ねぇ。
ホントは家族じゃないのよ。
血の繋がりはないの。
でも。きっと好きになっちゃいけない好きなの。
ちゃんと蓋をするわ。