サイテー
「あー、心配だ!」
「レンなら大丈夫でしょ。それに婚約者でしょ?」
何があったとしてもちゃんと責任くらいとるでしょうに過保護なんだから。新婚の新妻(インベッドの上)の前で妹分のようなと言っても他の女の心配なんてサイテー。
ま。そこも可愛いんだけど。
「結婚するとは限らないじゃないか!」
「反対なの?」
たぶん、ミアはレンが好きだと思うのよ。どこかぎこちない両思いカップル。ぎこちなさは年の差とか無理矢理なキッカケとかよりお互いに知り合う機会を潰されてるからじゃないかしら。
「……ミアは、あの時俺たちの希望を汲んで行動した。俺は、それにのるべきじゃなかった。あの時、ミアはレンを知りもしない初対面だったんだ」
つまらない罪悪感。
変なところで気兼ねするのね。実際のとこミアが心配というより、自分が助け手になれなかった悔しさじゃないかしらねー。つまり、頼られたかったのに頼られなかったのよね。お友達に!
そして友人の見栄も大事だと思っちゃうおバカな矛盾!
ヤダ。ホントに可愛いんだから!
その葛藤に沈む表情も好きだわ。
原因が面白くないけれどね。
裸の上半身にループタイだけつけてやろうかしら?
想像したらカッコよかったからデジカメそのへんにあったわよね。ループタイ、ループタイ。どこかしら?
「一目惚れの可能性は?」
「ジェシー、俺が君に運命を感じたようにってことか?」
やだ。ちょっと、胡散臭いわ。
運命感じた女に『割り切ったお付き合い』を望むってサイテーよ?
気がついたのか、ふいっと視線を逸らされた。
「特別が怖かったんだよ」
「ミアもそうかもねー」
腰をぎゅっと抱かれる。
「うまくいくわよ」
そっとしておきなさいな。
そして今は考えていいのはあたしだけでしょ。
「ね。ダーリン」