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執事さんとお嬢様 ~甘党の為のお茶会~  作者: ぐったり騎士
サブストーリー:メイドさんと見習い少年
70/70

第九話   『オランピア』 エドゥアール・マネ

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Canvas.9

 The fragrance was innocent,

 but my memory betrayed it.

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 女性の肌を知ったのは、まだ酒場で働いていた頃だ。

 半分酔いつぶれて、客を取り損ねたという娼婦は、何が僕を気に入ったのか、

「お酒を一本おごってくれたら、添い寝してあげるわ」

 と、からかうように。

 奪われるような接吻けは、口内を犯される嫌悪感と、それと同じだけの快楽。

 絡み合う舌から送り込まれた、安物の酒の味がする唾液は、こくんと飲み込んだ瞬間に、麻薬のような美酒になる。

 

 彼女に深く触れた時、その肌の柔らかさに驚いて、そしてそのまま溺れて行く。

 覚えているのは、とろける様な甘さと、堕ちるような熱さ。

 汗と体液が混ざり合う隠微な香りと――

 

「どうしたの?仕事中にぼーっとして」

「……いや、君の髪、いい匂いだなって」


 誘うような、香水の匂い。

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