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執事さんとお嬢様 ~甘党の為のお茶会~  作者: ぐったり騎士
サブストーリー:メイドさんと見習い少年
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第八話   『炉を守る人』 アメリー・ルース

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 Canvas.8

 Once, breath was my only fire.

 Now, the hearth burns for me.

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 今日の最後の仕事は、暖炉の鎮火。

 他の使用人達が次々に就寝に付く中、大広間に最後まで残り、準備をする。


 こうして、豪華なソレを前に思い出すのは、この館に来る前の自分。

 隙間風に身を晒すしかない安宿。

 雨が降ろうものなら、毛布でも被らなければやってられない。

 悴む指先に、溜息に似た息を吹きかけ暖を取る。

 そんな事を繰り返して、寂しさだけが重なった。


 今、自分の前で、それはただ静かに己の仕事に準じている。

 温かく、そして優しく、火を爆ぜさせて明々と。

 暖炉の暖かさは、特別な価値がある――そんな気がした。


 いつもは、みんなの為に。

 今だけは、僕の為に。

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