表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
執事さんとお嬢様 ~甘党の為のお茶会~  作者: ぐったり騎士
執事さんとお嬢様

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/70

第四十五話 「初恋」

-------------------------------------------------------------------

 Tea time.45

  Bound by My Shame, I Cannot Meet Your Gaze,

  Yet Who Lingers in Your Eyes, Who Dwells in Your Heart?

  I Yearn to Know, Yet Tremble at the Truth.

-------------------------------------------------------------------



「お休みなさいませ、お嬢様」


「おやすみ、明日も、よろしくね」



 少女はドアを閉め、鍵をかけると、そのままその場で立ち尽くしていた。

 執事の靴音が、部屋から遠ざかっていくのを確認して、はぁ……、と大きな溜息。


 そして扉に寄りかかりながら、ずるずるとその場に座り込む。



 気づかれなかっただろうか。

 今日の一日、出来る限り、いつもどおりに接する事ができたと思うけれど。


 心臓が、まだ高鳴っている。

 今になって、顔が一気に火照っているのがわかる。

 

 全ては、数日前に、執事(かれ)のあの姿を見てからだ。


 まともに顔を見られない。

 声をかけることですら、勇気が要る。


 あれほど、彼が自分のそばに居てくれる事を望んでいたというのに。



 頬に接吻(くちづ)けられた事も、接吻(くちづ)けた事もある。

 抱きしめられる事は珍しくない。

 髪を撫でられたり、執事の手を取り頬に寄せるのも、自らが望んだ事で――そのときはいつも心が安らいでいた。



 でも、今は――。


 彼の、脆さを見てしまった。

 彼の、弱さを知ってしまった。


 たった、それだけだというのに。



「どうしよう――」


 自分は今、生まれて初めて、本当に恋をしてるのだと知った。


ラストまであと5話ー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ