第三話 「贈物」
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Tea time.3
The steward found a gift from the best friend.
Signorina showed interest in it.
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「今日はよく笑うのね。なにかいい事でもあったの?」
「ええ、随分前に無くしたと思っていた、友人からの贈り物が見つかったのです」
いつもより弾んだ声。
自分でない存在が、この従者の心を癒したことに、軽い嫉妬をする。
「大切なもの、なの?」
「どうでしょう……。捨てられないことは事実ですが、手放すこと自体は、残念ではあっても辛いというわけではありません」
「そう……貴方らしい答えね。でも、少し怒った」
「はぁ……なにか失言があったでしょうか」
「なんだか、貴方の恋愛感を語ってるみたいなんだもの」
執事の苦笑。
だが、否定の言葉はない。それは、主人に対して異を唱えることがないだけか。
その真偽を問う前に――
「それで、その贈り主は、男、女?」