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執事さんとお嬢様 ~甘党の為のお茶会~  作者: ぐったり騎士
執事さんとお嬢様

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18/70

第十六話  「紅茶」

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 Tea time.16

   It is a magical tea that heals you.

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「ふう……」


「あら、あなたが溜息なんて珍しいわね」



 食器棚の前でカチャカチャと音を立てていた、シックなメイド服に身を包んだ女が、少し頭を押さえて天井を仰いでいる執事に、そう声をかけた。



「私にも、一息入れたいときぐらい、ありますよ」


「一息入れたいなら、堅苦しい言葉遣い、やめればいいのに。どうせあたしだけなんだから。……ま、あなたらしいけど」



 彼女は、軽く、肩をすくめる。



「君は、仕事はよろしいのですか?」


「とりあえず、ね。本当の戦いは夕方からだけど。今はちょっと休憩もらったから。……あなたは?」


「資料の整理をしていたのですが、書庫への書類の持ち運びが……。久々の力仕事は、少しこたえましたよ」


「なさけないわね。あたし達は、毎日が重労働なんだから」



 少しだけ、勝ち誇ったように、彼女。



「それじゃ、そういうときの良いリラックス方法を教えてあげましょう」


「ほう?」


「まず、ゆったりと椅子に座るの」



 執事は、言われたとおり、椅子の奥まで腰を落とし、座り直す。



「そして、目を瞑って深呼吸」



 深く、深く息を吐き、ゆっくりと吸う。





「さ、それじゃ、静かに目を開けて」





 呼吸を整えながら開いた目の先には、彼女がいつの間に用意したのか、テーブルにポットとティーカップを並べられていた。


 ――二人分。



「そしたら、ココからが重要」



 執事の前に座り、女は微笑む。



「あたしと一緒に、紅茶を飲むの」



 湯が注がれたカップからは、優しい香りが広がってくる。


 彼女に似た、甘い匂いだった。


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