物語設定について
【世界観】
『文化』
産業革命~近代ヨーロッパの某国を思わせる国の、その辺境。
汽車や船の技術は発達しており、移民もそれなりに多いらしい。
『館』
市街地からかなり離れて建てられた館が、この物語の主たる舞台装置。
とある丘にある屋敷で、それなりに古い歴史がある。
埃がたまりやすいのが欠点だが、それ以外は作りもしっかりしていて、住み心地が良いらしい。
『街』
商店、役所、歓楽街、そして色町として、良い意味でも悪い意味でも賑わっている街。
たまに東方からの珍品が輸入されたり紛れ込んだりして、売りに出されることがある。
【登場人物】
『お嬢様』
とある丘の上に立てられた館の、主である少女。
父親より、館と使用人の管理、そして事業の一部を任されている。
従者である執事の青年に、強く信頼と親愛を置いており、
その想いは憧れから恋慕へと変化しつつある。
大の甘党。
『執事』
出身国、経歴、スキル等、「この国に来る前」までの情報は全て不明。
少女が唯一わかっていることは、海を越えた遥か東方の島国、ということと、二十歳は超えているということだけである。
また、意外な技術を持っていることがあり、主の少女をよく驚かせている。
この国では少ない、黒髪、黒い瞳の持ち主。
少女を、主として強く敬愛している。
だが、少女からのスキンシップには、ときどき戸惑うことがある。
辛党にして甘党。
『メイド』
館で働くメイド達――の中の一人。
少女のお気に入りであり、オールワークスでありながら少女専属に近い。
その結果、少女と共にいる執事の青年とも面識が強い。
軽食、焼き菓子などを担当することがあるが、
これは料理・キッチンを己の城とする、専属のコックがいる館としては異例といっていいだろう。
大の甘党。
【作中には登場しないその他の重要な人々】
『少女の父親』
娘を強く愛し、そして良家の跡継ぎとして厳しく育てている厳格な父親。
「館・人の管理と運営。そして事業の一旦を担い、結果を出すこと」という家の伝統である教育法は、本来男子の跡継ぎに行われるものであるが、彼は一人娘であるという理由で少女にその責務を負わさせた。
我が娘ならばきっとできる、という強い信頼と愛があればこそである。
また、補佐として執事を信頼し、娘のサポート役を託した。
現在は商いのために、国内・国外をめぐり、館には不在。
不在といっても、そもそも館の権利は娘に完全移譲して別の本拠を構えているため、あくまでも館の主は少女である。