言われた通り出て行った私に、今更何の御用で?
私、レイラはブランドン・セッションズと結婚した。
私の生家フォースター家もセッションズ家も同じ侯爵家という立場。互いの家の立場を強固なものにする為、私達の婚約は五歳くらいの頃にはもう成立していた。
だから、この婚約に私達の気持ちは一切絡んでいない。
それはわかっていた。
けれど。
「お前を抱く気はない」
私がセッションズ侯爵家へ嫁入りしたその晩。
彼は夫婦の寝室でそんな事を言った。
「……ブランドン。貴方が私を好いていない事はわかっているけれど、これは昔から両家が交わした約束なのよ。私は貴方との子を産まないといけないの」
長い溜息が出る。
私だってできる事ならば彼と夜を共にするなんてしたくはない。
けれど私達は貴族。自身の気持ちと貴族としての義務を天秤に掛ければ、後者を優先しなけれなならないのは当然の事であった。
しかし彼は
「お前が俺をその気にさせられないのが悪いんだろう! 色気もなければ女の癖に気も強い! 男に媚の一つも売れないような出来の悪い奴に欲情しろという方が無理な話だ」
と散々に私を貶した。
それ以降はまともな会話にならず、私が何を言おうとも「今日は抱かない」の一点張り。
「いつかは抱かないといけない事くらいわかっている。だがお前のせいで今は出来ない」
そんな事を言ったかと思えば彼はさっさとベッドに潜って寝てしまった。
最悪な日だと私は心の中で零した。
***
それから二年。
何度貴族の義務について私が説こうとも、ブランドンの気は変わらなかった。
因みに彼の両親へ相談すれば、嫡男に激甘な夫婦は「そんなに急かす事ではないのでは」だとか「きっと自分が気付いていないだけで貴女にも原因があるのでは」だとか、彼の肩を持つような発言しかしない。
痺れを切らして生家に相談をし、何度か両親から口添えしてもらいもしたのだが、義家族やブランドンは彼等の前でだけ物分かりの良いふりをして何も改善させようとはしなかった。
貴族社会では結婚から二年も経てば第一子を生むのが当たり前である。
にもかかわらず、未だに子を作ることが出来ない私は社交界でいい笑い者になった。
それでも一度嫁いでしまったからには妻として、手を尽くすしかない。何より、私の事を案じてくれている両親を安心させたかった。
私は自分を磨き、何度もブランドンへ頼んだり、説得を試み続けた。
しかし。
「あら、レイラ様。ご機嫌よう」
結婚から二年が経った頃。
セッションズ侯爵家にある女性がやって来た。
グウィネス・モロニー子爵令嬢。
私やブランドンと同じ王立学園に通っていた女性だ。
彼女の腹は大きく膨らんでいた。
「今日から彼女は家に来ることになった」
彼女の隣に立つブランドンがそんな事を言う。
傍に立つ侯爵夫妻を見れば彼らは「子供が出来てしまったのだから仕方がない」などと訳の分からない事を言ってブランドンの肩を持った。
「……貴方は、自分がどのような立場にあるか分かっているの?」
強い眩暈に襲われ、今すぐにでも喚き散らしたい衝動を何とか抑え、私は言葉を絞り出した。
「貴方には私という妻がいます。にもかかわらず、愛人として公に認めていた訳でもない女性と行為に及んだと……?」
「お前が子を作れないから、俺は自分の面子を潰すリスクを背負ってでも世継ぎを残す方法を考えたんだ!」
「子を作れないのは私の問題ではなく、貴方の精神的な問題であったはずでしょう!」
「そうなっていたのは全てお前の責任だ! 何故開き直って身勝手に怒ることが出来る? そういう人間だからグウィネスのような誠実な女を選ぶしかなかったというのに!」
私達の言い合いは徐々に激しさを増していった。
その時だ。
ふらり、とグウィネスがふらつく。
「グウィネス!」
ブランドンがグウィネスを支える。
するとグウィネスは震えながら私を指した。
「こ、怖いです、レイラ様……。そんなに声を荒げて…………」
「……は?」
「っ、レイラ!」
ブランドンが激昂する。
「グウィネスは身籠っていて心身ともに疲れ切っているというのに、彼女の事を気遣うことすらできないのか!?」
因みに単なる声の大きさで言えばブランドンの方が大きかっただろう。
グウィネスのこれは私を陥れる為の言葉でしかなかった。
「お前の存在が彼女の負担になる! 彼女を怖がらせる事は俺が許さない!」
「何故夫人である私が、余所から突然やって来た女性を気遣う必要があるの?」
「っ、名ばかりの妻が……! 子も作らず、ただ妻としての立場を享受するだけの女など願い下げだ! 今すぐ出て行け!」
「…………は?」
「聞こえなかったのか? 出て行けと言ったのだ!」
最初から最後まで滅茶苦茶な理論と言葉をぶつけるブランドン。
同じ言語であるはずなのにまるで理解が出来ないちぐはぐさに困惑していると、彼は声を張り上げた。
私は正式な妻であり、セッションズ侯爵家の一員だ。
にも拘らず彼は、裏でこっそりと作っていた愛人の為に家を出て行けなどと言ったのだ。
この発言には流石の侯爵夫妻も焦りを見せたが、その間も彼は動かない私に対して何度も「出て行け」と声を荒げた為、口を挟むことが出来ない。
最早彼と建設的な話をする事は不可能だった。
私は深く頭を下げる。
「畏まりました」
そして速足で自室へ戻り、必要最低限の荷物だけを纏めて私は実家へと帰ったのだった。
馬車に揺られる中で私は声を押し殺して涙を流した。
あまりにも酷い侮辱だった。
子を産む事を義務として、セッションズ侯爵家へ嫁いできた私はその使命を全うする機会すら与えられなかった。
それどころかブランドンは家の外で子を作り、自身の不倫に正当性を持たせる為に私を罵り、果てには家から追い出した。
これは私の――延いてはフォースター侯爵家への侮辱だった。
家族に心配をかけまいと気丈に振る舞い、大丈夫だと繰り返してきた結果がこれ。
ブランドンに好きにさせてしまった事や二年を無駄にした挙句、自身の使命を全うできなかった事が口惜しくて。
実家へと逃げ帰る自身が惨めで情けなくて。
気にかけてくれていた家族に申し訳が立たなくて。
私は一人で泣く事しかできなかった。
実家へ戻ってきた私を見て、両親は何も言わずに抱きしめてくれた。
きっと目が腫れてしまっていたんだろう。
それから私は両親に嫁ぎ先の話やグウィネスの事を話した。
両親は怒り、婚姻関係を解消できるよう何とか動いて見せようと言った。
けれど……結婚が解消されようとも、私は一度結婚した身。それに女性の結婚適齢期は既に過ぎつつある。
新たな嫁ぎ先が見つかる保証はないし、下手をすれば女で一人身になる事だって考えられた。
両親の言葉に甘えることにしたものの、私の心は晴れる事がなかった。
翌日。
暫くはゆっくりしていなさいという家族の気遣いに甘え、自室でぼんやりとしていた時。
「義姉さん、いる?」
ノックと共に懐かしい声が聞こえた。
「……サイラス!?」
私が扉を開けると、茶髪に黄緑の目をした青年が立っていた。
人懐っこさや温和な性格を彷彿とさせるような顔立ちの彼は、幼少からが数年前までの年月をフォースター侯爵家の養子として過ごした、私の義弟に当たる人物だった。
「どうしてここに……」
彼は私がセッションズ侯爵家へ嫁いですぐに、生家であったバートレット公爵家へ籍を移し、フォースター侯爵家を去っていたはずだ。
元々、財政が苦しく傾き始めていたバートレット公爵家が、当時から裕福であったわが家へ支援を求める代わりにと、公爵家との強い繋がりの証明として養子に送られて来たのがサイラス。
しかし公爵家の財政が安定した頃、何と世継ぎとして育てていた嫡男が流行り病で亡くなり、バートレットの家を継ぐ者がいなくなってしまった。
そこでバートレット前公爵――サイラスの実の父親は私の両親とサイラスに頭を下げ、サイラスをバートレット公爵家の後継者として呼び戻したのだった。
サイラスは投げられた問いに答えるより先、私を優しく抱き寄せた。
「聞いたよ義姉さん。大変だったね」
「……っ」
彼の優しい声に感情が揺さぶられ、溢れそうになる涙を私は必死に堪えた。
「急に来てごめん。義父さんと義母さんから連絡があって、いてもたってもいられなくて」
「ううん。嬉しいよ」
それから私は部屋の中に彼を招き入れた。
テーブルを挟んだソファにそれぞれ座り、お茶を飲みながら話をする。
「離婚はするんだろ?」
「ええ。子は作らないけど、籍は入れたままにして欲しい……なんて主張、わが家を馬鹿にしているのと同じ事だし、許せる事じゃないわ」
「何より、義姉さんをあまりにも蔑ろにしている」
サイラスが顔を顰める。
私は彼の言葉に苦い笑みを返した。
「ここ二年の事、義父さん達から聞いたよ。……どうしてもっと早く言ってくれなかったんだ」
「心配掛けたくなかったの。お父様もお兄様も公務の引継ぎなんかで忙しいし、お母様も二人を支えるのに手いっぱいだと思ったから。それに……サイラスも引継ぎや、本格的に始まった公爵の仕事で忙しかったでしょ」
そう。バートレット公爵家へ連れ戻されたサイラスはその後すぐに公爵の立場を引き継いだ。
嫡男を病で亡くした事で、自分もいつ死ぬかわからないと前公爵は焦ったようであった。
そんなこんなで、余りにも大きな存在になってしまったサイラスだが、彼は相変わらず私達フォースター侯爵家を家族として見てくれている。
「義姉さんが苦しむくらいなら無理矢理でも時間を作って飛んで来たよ」
サイラスはそう言うと私の手に自分の手を重ねる。
「貴族である以上、義務や使命を優先しなければならない事はあるよ。けど……義姉さんは必要以上に自分の事を後回しにしがちだ。たまには自分の気持ちに素直に従ったっていいんだよ」
「……ありがとう、サイラス」
優しい言葉が胸の奥まで響いて、鼻の奥がつんとした。
感傷に浸り、私が口を閉ざした時。
「…………こんな事なら、もっと早く動いておくべきだった」
そんな事をサイラスは口にする。
「え?」
「いや、こっちの話だよ。家を継いでから色んな話を耳にしたのを思い出していてさ」
サイラスは整った顔に人の好さそうな笑みを浮かべた。
「最近の政界は第一王子派と第二王子派での争いが激しいだろ?」
「ええ」
国王陛下が比較的若いこともあり、我が国は次期国王――王太子がまだ決められていない。
しかし第一王子は既に学園を卒業し、政治に携わり始めており、第二王子も学園を卒業する頃合い。
そろそろ陛下も王太子をお決めになるのではという噂が流れ、貴族達はそれぞれ敵対する派閥の動きに敏感になっている。
「第一王子派の中に、第二王子の悪評を流す為に他国へ我が国の情報を流した輩が要るようでね」
「どういう事?」
「第一王子暗殺を第二王子が企てた、というデマを流す為に腕利きの暗殺者を雇った奴らがいたらしい。結局その暗殺者は暗殺未遂の現場を工作する前に捕まったんだけど、その暗殺者というのが――どうやら他国から送られて来たスパイだったようでね。暗殺者へ依頼した貴族の情報や、彼らが口を滑らせた情報なんかが流出してしまった訳だ」
「そんな…………」
「馬鹿げているだろ? この国には腐ってる貴族が多い。先が思いやられるよ」
「……未来の国を治める事になるお方には、どうにか治世に励んでいただきたいものね」
「ああ。まあ……一時没落寸前まで落ちたとはいえバートレットも公爵という大貴族の家だ。勿論俺も出来る限りの事はしないとならないけどね。……っと、少し話が長くなったけど」
サイラスはカップのお茶を飲み干してから目を細める。
「近々、潰れていく貴族がいくつかいるだろうって事だ」
その眼光は何かを企むような鋭さを持っていた。
それから一週間が経った頃。
サイラスが言った通り、いくつかの貴族が捕らえられ、処刑された。
その中にはモロニー子爵も含まれており……グウィネスは処刑を免れたものの、モロニー家が子爵の爵位返上を命じられた為、平民へと落ちぶれた。
平民の子を、それも国家反逆に関与した家の者の肩を持つ事は出来ない。
グウィネスはセッションズ侯爵家を追い出された。
だが……それで終わりではない。
私を追い出した後、愚かなブランドンは社交界にグウィネスを連れ回し、愛人を迎えた事を公言していたのだ。
そのせいでグウィネスと深い関わりを持っていたセッションズ侯爵家も国家反逆に関与した疑いをかけられる事になった。
国の調査の結果、彼らは今回の件に関わってはいなかった事が分かったが、しかし――噂好きばかりが集まる社交界でセッションズ侯爵家のような立場の者は格好の餌食だ。
彼らは笑い者にされ、あらぬ嫌疑をかけられ、また――ブランドンの妻と愛人への振る舞いについて批判される事になった。
こうしてほんの短期間の間に社交界中からの信頼を失った彼らは政界における影響力もなくなり、貴族としての立場が危うくなっていく。
そんな最中。私の両親はセッションズ侯爵家へ離婚の話を取り付けたらしい。
その場に私は参加しなかった。代わりにサイラスが同席してくれたらしい。
彼らからすれば後継者を生むこと、そして現在の自分達より優位な立場にある家との繋がりを持つこと……これらを叶えられる私との婚姻は決して解消したくないものだっただろう。
しかし結果は先程述べた通り。
恐らくは……大貴族バートレット公爵殿が政治的な圧力をちらつかせたのだと思う。
そんなこんなでセッションズ侯爵家との繋がりもなくなり、漸く一息吐けるようになった私は悠々自適な実家暮らしを過ごしつつ、数日に一回程度の頻度でバートレット公爵家へ足を運んでいた。
時間を持て余していたので、公爵を継いだばかりで忙しい義弟の仕事を手伝う事にしたのだ。
「はぁ、終わった終わった」
「お疲れ様」
「折角のんびりできるようになったのに、わざわざごめんね」
「いいのいいの。私がしたくてしてるんだから。
執務室で伸びをするサイラス。彼はふとこんな事を聞いてきた。
「最近、パーティーに行ってきたんでしょ。どうだった?」
「うーん、前みたいに笑われる事は無くなったけど……やっぱり一定数遠巻きに見てる人はいるかな。特に異性」
先日、学生時代の友人の誕生日パーティーに出席した時の事を私は思い出す。
「まあ結婚歴があるし、傍から見たら傷物だろうしね。やっぱりお相手は見つからないだろうなぁって思ったよ」
「まぁ、その辺は気にしなくていいでしょ」
「気にするよ。いつまでも家族のお荷物になる訳にもいかないし」
「そうじゃなくて」
「……あ。そろそろ帰らないと」
話の途中、時計が目に入った私はサイラスの言葉を遮る。
それから、「ごめん、何だった?」と聞いたのだが、彼は呆れたように溜息をつくと首を横に振った。
私はサイラスと共に公爵家の馬車に乗って家へと向かう。
フォースター侯爵邸に着いた時。
サイラスにエスコートされて馬車を降りた私の目の前へ、誰かが飛び込んでくる。
「ッ、レイラ!」
ブランドンだ。
彼は必死の形相で私を見ると、速足で距離を詰める。
嫌な記憶が蘇り、思わず身構えた。
それに気付いたサイラスが前に出てくれようとしたが、私はそれを制し、真っ直ぐブランドンを見据えた。
「何の御用ですか。ブランドン・セッションズ様」
「もう一度やり直そう!」
予想通りの言葉だった。
彼がやって来た目的はわかっていた。
今の彼の元へ嫁ぎたい令嬢などいるはずもない。彼は後継者を得る方法が無くて途方に暮れているのだ。
「グウィネスはクソ女だった! お前がどれだけいい女だったか気付いたんだ! 今度はきちんと言われた通りにする。……お前だって、嫁ぎ先を探しているんだろ? だったら俺と――」
「ブランドン・セッションズ様」
私は語気を強め、彼の名をもう一度呼ぶ。
ブランドンが身を固くした。
私は笑みを浮かべる。目は笑っていなかっただろうが。
「私は貴方の言葉に従っただけです。出て行けと、言われたその日に私達の関係は終わったのです」
家にいる資格がないと言う事は、家との関係を切る事と同義だろう。
「貴方が終わらせたのですよ。ブランドン・セッションズ様」
「そ、そんなつもりは……っ」
「お引き取りください。……さようなら」
立ち尽くすブランドンを置いて私は足早に門へと向かう。
サイラスもまた、私の後を追い――
「義姉さん」
私の名を囁いたかと思えば――私の唇に、自身の口を重ねた。
突然の事に驚き、動けなくなる。
サイラスだけが、余裕のある笑みを浮かべていた。
彼はそのままブランドンを鋭く睨むと、嘲笑を浮かべる。
「悪いけど……貴方とは違って、彼女はもう嫁ぎ先を探す必要がないんだ。――お生憎」
ブランドンから離れた先。
私は顔を赤くしながら俯く事しかできなかった。
「義姉さん。……おーい、義姉さん」
「い、いくらブランドンを追い払う為とはいえ、急にキスなんて……っ」
顔を覗き込もうとするサイラスを両手で押しのけようとする。
すると彼は私の両手を簡単に捕まえてしまった。
「え、違うよ」
「え?」
「彼を追い払う為だけじゃない」
サイラスの顔が目と鼻の先にある。
真剣な顔をしていた。
「言ったでしょ、嫁ぎ先の事なんて気にしなくていいって」
サイラスが何を言いたいのかが分からず黙っていると、彼は淡く微笑んで続けた。
「俺と結婚してよ、義姉さん」
「…………え」
「気付いてなかったと思うけど……ずっと好きなんだよ、俺」
考えが追い付かない。
顔の熱だけが急激に上昇していく。
サイラスの息遣いを感じる。
「あんな奴と結婚できるくらい自分の心を殺しちゃうなら……俺のところに来てよ。俺に守らせてよ」
尚も呆然とする私に気付いたサイラスは困ったように眉を下げて笑った。
「……早まりすぎたかな、ごめん」
それから彼は私の顎を固定すると、頬にキスを落とした。
「でも、撤回する気はないから。そこんとこよろしくね」
「ひ、ひぇ……」
情報量が私の脳のキャパシティーを超えた。
私は目を回しながら後ろから倒れ込む。
「う、うわ! 義姉さん……っ!」
サイラスが咄嗟に支えてくれたのだが、余計に顔が近い。
今だけはその綺麗な顔を私から離して欲しい。
そんな事を思いながら私はひっくり返ったのだった。
その一年後。
溺愛っぷりを隠すつもりもない世界一優しい旦那様の元へ私は嫁ぐことになるのだが……それはまた別の話。
因みにセッションズ侯爵家に送った結婚式の招待状は宛名不明で返って来た。
彼らは家ごと社交界から消えたようである。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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それでは、またご縁がありましたらどこかで!




