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狂い昔話

さるかに合戦(ほんもの)

作者: 焼きそばパン買ってこいよ

 むかしむかしあるところに、カッパが500匹住んでいました。


 それとは別のところに、柿の親子がおりました。親子はとても仲が良く、ご近所では「あいつらデキてんじゃね?」と噂されるほどでした。


 そんなある日、子柿が散歩をしていると、反対車線から大きな桃が転がってきました。


「こんにちマ」


「こんにちモ」


 両者は挨拶を交わし、唾を吐き合ってすれ違いました。子柿の口の中には桃の味が、桃のお尻の中には大根の味が広がっていました。


 それから約1年後、柿の親子の家にカニが訪ねてきました。


「このあたりに喋る柿がいるという、にわかには信じ難い噂を聞いたのですが」


「喋るカニに信じ難いとか言われるんだ」


「ヒエエ。柿が喋ったぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


 カニはすぐに柿の親子を捕獲し、親柿と玉ねぎを炒め合わせました。


 次に出汁を効かせたつゆを投入し、少し煮詰めると子柿を割り、数回混ぜて流し入れました。


 フタをして30秒。






 3


 2


 1


 親子丼の完成です。


 場面はパンダに移ります。

 夜勤明けで体バキバキ頭フラフラお腹ペコペコのパンダは、甘いものを買うためにコンビニへ向かいました。


 皆さんの大好きな青いコンビニにやってきたパンダは、小銭を握りしめて入店します。


「いらっしゃっ射精〜」


「これください」


 チーズです。皆さんご存じのように、パンダはチーズしか食べません。だからあんなに青いのです。シンパシーですね。


 チーズを手に入れることが出来たパンダはムヒムヒ言いながら寮へ向かいました。


 途中、太ったカニと出会いました。


「カニさん、あなたはなぜ太っているのですか?」


「私は先ほど親子丼を食べたのです」


「そうなんですね、はは」


 そう言ってパンダはカニを叩き潰し、見事勝利しました。

 カニのいた場所をよーく見てみると、そこには小さなアイテムが落ちています。


「むむ、これはカニの種ですね。チーズより美味しくないので庭に埋めてしまいましょう」


 0.85秒に収まる早口でそう言うと、パンダは瞬間移動で寮の庭に降り立ちました。


「⋯⋯これでよし、っと」


 しっかり種を植えたパンダはお尻をひと掻きしたあと屁で2階まで上昇し、窓を割って帰宅しました。


「さて、チーズ食べ⋯⋯あれ、チーズない!?」


 なんということ! 名刺入れにしまってあったはずのポテトがどこにもありません!


「もしもし」


 パンダはすぐに電話をかけました。


「分かりました」


 保険屋さんです。こういう時のためにチーズ保険に入っていたのです。


 40秒後、ポテトを持ったカッパが寮に到着しました。


「お待たせいたしました」


「ご苦労」


 カッパを置いてポテトが帰っていきました。


 窓の外にはすでにカニが伸びてきています。時間がありません。


 パンダは裸になりました。

 最近増やした小船のタトゥーが何か言っています。耳をすまして聞いてみましょう。


「ブルーギルしか釣れん! ブルーギルしか釣れん!」


 どうやらドラゴンズが勝っているようです。このまま優勝出来るといいですね(モヒカンのタランチュラ)。


 場面は沖縄に移ります。


 嘘です。


 今まで寒い思いをしていた猿は家の中に入ると、すぐに囲炉裏へ向かいました。


「おケツ、温めます!」


 宣言してキンキンに冷えたおケツを温めていると、突然の「バチッ!」という音とともに猿が飛び上がりました。火の中から飛んできた犬がお尻に刺さったのです。


 火傷した猿は慌てて水瓶でお尻を冷やしますが、そこには猿が潜んでおり、渾身のカンチョーを食らうこととなります。


 また飛び上がった猿は「こんな家もう居られねぇ!」と玄関に向かって走り出します。


 しかし、ちょうど家を出たところに「日本一」と書かれた旗を背中に刺した少年が寝そべっており、その表面がヌルヌルしていたため、猿は滑って転んでしまいました。


「なんて日だ!」


 ヌルヌルのせいでなかなか立てない猿。その間に、上から迫り来る影はどんどん大きくなっていきます。


 ドスン!


 猿の背中にキジが落ちてきました。猿も、その下にいた日本一の少年もひとたまりもありません。


 2人の葬儀は身内だけで行われることになりました。式場にいるのはおじいさんとおばあさん、そして週刊誌の記者だけです。


「わーいわーい人死(ひとち)にだぁ〜い!」


 人死にが大好きな記者は興奮を抑えられず、ちんちんのカメラで様子を撮影しつつ、あることないことメモメモちていまつ。


 そこでパンダは言いました。


「この中に、パンツを履いているお医者様はいらっしゃいませんか!」


 しかし、誰も名乗り出ません。

 名簿を見てみると、乗客全員が医者となっています。パンツを履いているという条件がつくだけでこうなってしまっているのです。


「では、パンツを履いていないお医者様はいらっしゃいませんか!」


 誰も名乗り出ません。


「なんでだよ!!!」


 苦しむ患者を前にパンダが絶望していると、乗客の1人がゆっくりと挙手しました。


「おちっこ」


 トイレに行きたかっただけのようです。


「くそぅ! どうすれば⋯⋯!」


 諦めかけたその時でした。


「あにょ〜、ぽっきゅんでヨかったらしゅじゅちゅするニョ?」


 機長が名乗り出てくれました。


「機長! こんなところに来て大丈夫なんですか!?」


「大丈夫大丈夫、自動操縦だから」


「ええっ!? マジでちゅか!?」


 驚きのあまりパンダは機長を叩き潰してしまいました。


「し、しまったぁぁあ!!!」


 またまた絶望するパンダでしたが、機長が消滅したところの床をよーく見てみると、なにかアイテムが落ちています。


「これは! 機長の種! 良かった! これを埋めて機長をまた育てれば、お客様を救うことが出来る!」


 そう思ったのもつかの間、飛行機の中には種を植える土がありません。

 またまたまたパンダが絶望していると、種の中から微かに声が聞こえてきました。


「種を飲み込むんだ! そうすれば憑依してしゅじゅちゅを行うことができゆ!」


 どうやらドラゴンズが勝っているようです。今夜は金曜日になるでしょう。


 場面変わって火星。

 カメハメハ大王は相変わらずUFOキャッチャーに興じていました。


 景品はダイヤモンド。プレイ料金は1回10円です。


「ここのこれをこうして、これをこうすれば⋯⋯にゃっぴ!」


 なんと、1回で取れてしまったではありませんか! あんたすごいよ大王! あたしゃ惚れちまったね!


 この成功体験で調子に乗った大王は、更なる性交体験を得ようと、マッチングアプリに登録しました。


 名前はハメハメ大王。特技はエッチ。他の欄は全て未記入です。


 @〜1日後〜@


 5人の女性からメッセージが来ています。


 1人目

 名前は「あ」

 メッセージ内容は「バーカ」


 2人目

 名前は「Jesse」

 メッセージ内容は「ديك يوم من أيام الأسبوع」


 3人目

 名前は「ハサミとかけて、やらないと後悔することと解く」

 メッセージ内容は「ちょきん」


 4人目

 名前は「あああ」

 メッセージ内容は「バーカバーカバーカ」


 5人目

 名前は「あああああ」

 メッセージ内容は「うんこうんこうんこ」


 カメハメハ大王は頭を抱えてしまいました。


「こんなの選びきれないよ⋯⋯あっ、そうだ!」


 カメハメハ大王は抱えていた生首を放り投げ、5人の名前を書いたメモを机に並べて指を差しました。


「どれにしようかな天の神さまの言うとおり」


 結果、スシローに行くことになりました。


 めでたしめでたし。

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