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~プロローグ~

はじめまして甘味苦味です。

まだまだ未熟で稚拙な駄文かと自覚していますが、ラノベやweb小説が日々の活力になり救われた身なので、この作品が皆様の暇つぶしとして、一欠片でも日常の彩りになれる事を願って綴っていきます。

何卒よろしくお願い致します。

 俺にとって現実(ココ)が地獄だった。

 生きる為に仕事をしているのか、仕事をする為に生きているのか分からなくなっていた。


 もちろん、最初はやり甲斐もあって、前向きに仕事に励んでいた。


 でも、いつからだろうか。

 生きるのに、生きつづけるのに疲れたのは。


 抜けきらない疲労を誤魔化して起きる朝、冤罪に巻き込まれない様に気をつける満員電車、人間関係や世間体を意識した作り笑いと言動、まるで王様のような振る舞いの上司への対応。


 全てを投げ出して逃げ出す勇気もなく、自分に言い訳して現状維持を続ける日々に嫌気がさしていたのは事実だった。


 なにか自分を変えるキッカケさえあればと、能動的に行動することもなく不満を抱いては、自分を宥める変わらない毎日。


 その日も普遍的ないつもの日常が始まって終わる、はずだった。




 ◆◆◆




 俺は午後の外回り営業を終えて、電車を二本乗り継いで、地上出口へと繋がる長い階段を汗だくになりながら登る。


 外気に触れた汗ばんだ身体が地下との寒暖差にブルブルっと身震いが起きる。


 寒風に震える身体とどんよりとした曇り空に季節の変わり目を感じながら鬱屈とした自分も相成って更に視界が下へ向く。




「ほんっと、なんで生きてんだろうなぁ」




 行きつけのコーヒー屋でホットコーヒーを頼むか、そのせいで帰りが遅くなって上司に小言を言われる隙を作るかで、天秤に掛けながらも、俺の足は真面目に会社へと歩みを進める。



 大きい交差点で信号待ちの途中、何気なく振り返った俺は、一階がガラス張りのオフィスビルに映り込む草臥れた自分に改めて落ち込む。


 営業職上、身だしなみは人並みには気をつかっていても経年劣化ともいえる癒えない疲労感と暗さが滲みでていた。


 ふっと我に返った俺は青信号になっていたのに気付き慌てて交差点を渡る。



 ドンッと内臓に響く衝撃音と共に何かを引き摺る不快音が響いた。「キャーッ」や「危ない!」といった喧騒が辺りを包む。



「お、おい、マジかよ」



 音に鳴らない声で無意識に呟く俺の視界には、横転した大型トラックが火花を散らしてこっちに迫ってくる景色だった。


 慌ててその場から逃げ出そうとする俺の目の前にはベビーカーを押す母親が見えた。

 母親は突然の出来事でパニックになってるのか、それとも余りの恐怖から硬直しているのか分からなかった。




「は、はやく、逃げろぉおお」




 自分でも驚く程の大声が、母親の気付けになったのか、ベビーカーの中にいる赤ん坊を掻き抱いて走りだす。

 しかし、余程慌てていたのか、ベビーカーの車輪に蹴躓いて倒れる母親に俺は迷いなく駆け寄る。


 俺は駆け込んだ勢いを使って、赤ん坊を抱いた母親を対面の歩道に退避していたスーツ姿の男性の方に放り投げる。



「受けとれぇええええ!!」



 横転して火花を散らしながら俺に迫る大型トラックより、いま放り投げた母子の安否が気になった。

 赤ん坊を庇うように背を向けた母親を無事にスーツ姿の男性が抱きしめるように受け取ったのを確認する。



「よ、よかっ───」



 刹那、物凄い衝撃と景色が回る。

 一瞬で全身を蹂躙する痛みと駆け巡る熱さに感覚が無くなり意識を手放し、ブラックアウト。



 俺は───

 辺代勇美はこの世界(ココ)での生を失った。




改めまして、ご訪問&読んで頂きましてありがとうございます。


読者の皆様に、大切なお願いがあります。


もしすこしでも、

「面白そう!」

「続きがきになる!」

「期待できそう!」


そう思って頂けましたら

ブクマと★星を入れて頂けますと幸いです。


★お一つでも、★★★★★五つでも

正直に、思った評価で結構ですので、何卒読書の皆様の感想をお教え願いたいです。


広告下から入れます。

読書の皆様からの反応がとても励みに、高いモチベーションになります( °̀ロ°́)و

最高の応援となりますので、何卒ご協力の程を宜しくお願い致します。

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