ドラゴンが車を虐げる世界に転生した話
俺は、二十六木轟!
どこにでもいる高校三年生、二十六歳だ!今日も二次方程式を覚えるために元気に登校している!
そんな俺に!
ス○ストSSCが突っ込んできた!
俺は死んだ。
「私は神です」
「ス○ストSSCだ」
俺を轢いた奴だ!ス○ストSSCが神を気取っている!なんて奴だ!
「貴方に私の世界を救っていただきたいのです」
「世界? なんで俺が?」
「名前が素晴らしいので」
そんな糞みたいな理由で俺は音速で轢き殺されたのか!?
「ふざけるな!」
「頑張ってください。貴方を応援しています」
俺はス○ストSSCに異世界へと転生させられた!
がしゃんがしゃん!大きな音がする!俺が目を開けるとハイウェイに横たわっていた!そして、タ○トがドラゴンに襲われていた!他にム○ヴがいて、ドラゴンから逃げ回っている!
俺の正義の心が燃え上がる!
「やめろぉおおお!」
ばきいいい!ドラゴンをパンチ!
ドラゴンが吹っ飛んで行って動かなくなった!
なんか俺、強い!
でもタ○トは、無残にも廃車になってしまっていた……!ム○ヴはなんとしても助けなければ!
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!」
俺はス○ストSSCの如き加速をして、ドラゴンを突き破る!
倒した!
「大丈夫か、ム○ヴ!」
「ぴー」
とりあえず大丈夫らしい!
良かった!
「ぴーぴっびぴーぴーぴーびぃっぴっ!」
車語は分からん!
とりあえず乗ってみよう!
「ぴー!?」
乗ろうとしたら、ドアで吹っ飛ばされた!
「びっ、びー!」
駄目だったらしい!
なんか女の子っぽいから、すごく駄目なんだな!
「ぴ、……ぴー///」
なんか小さくクラクションを鳴らしているが、よく分からん!
「ぴー」
ム○ヴが軽いクラクションとパッシングをして走り出した!どこへ行く!俺は慌てて走り出すと、追いついた!俺速い!
ム○ヴの後ろにくっついていく!
「びいいいいいいいいいいい!」
けど怒られた!煽り運転に思われたようだ!車世界のマナーは厳しいな!
ム○ヴに連れられた先は、有料駐車場だった!そこにはたくさんの車が乱雑に並べられ、ドラゴンに襲われていた!ウォッシャー液のみならず、オイルや不凍液、ガソリンまで漏れている!
なんてむごい!
「ぴ、ぴー……」
ム○ヴも悲しんでいる!助けなければ!
「うおらぁあああああ!」
百匹目のドラゴンを貫く!
「はぁ、はぁ……」
さすがに疲れるらしい!
「ぴー……」
心配そうに寄り添ってきたム○ヴのボディを優しく撫でる!
「危ないから下がっているんだ」
俺の目の前にはすごく大きなドラゴンがいる!
「ぶっぶっぶっ! ぶぅう、ぶっぶっぶ!」
ドラゴンが車語を話した!俺より頭が良い!
「びー!? びいいいい!」
ム○ヴがドラゴンの車語に怒り狂っている!
「落ち着くんだ!」
俺が!奴を倒す!言葉が通じないが、ム○ヴの純正ライトをしかと見つめる!
「びー」
通じた!引き下がってくれた!良い子だ、ム○ヴ!俺はドラゴンに躍り掛かる!
「ぐはぁ!」
けどドラゴンは強かった!超加速でも貫けない!
「ぐがっがっが、ぎゃおん」
強すぎる……!でも、諦めてなるものか!
「そう、その強き心が勝利の鍵です」
「この声はス○ストSSC!」
俺の脳内にス○ストSSCの声が聞こえてくる!
「轟。ム○ヴと力を合わせるのです」
「ム○ヴと?」
「彼女はこの世界の姫。人間を乗せることで秘めたる力――ニトロを爆発させられるのです」
「でも、ム○ヴに乗るのは……!」
「貴方の心は通じたはず。きっと大丈夫」
ス○ストSSCの声は消えた!
「びー……」
ム○ヴが俺の横にいる!静かにドアが開いた!
「ありがとう!」
俺は、ム○ヴに乗り込む!シートベルトをしっかりとしめる!
「ぶぅっ」
ルームミラーの位置を正す!
「ぶぅんっ」
エンジンが少し唸りを上げたが、安全のためだ!許してくれ!ハンドルをしっかりと掴む!
「ぶ、ぶぅううん!」
瞬間!ライトがハイビームで瞬く!エンジンが最高の唸りをあげる!パワーが高まった!これなら、いける!
「行くぞ、ム○ヴ!」
「ぶうううん!」
「ぎゃおおおおん!」
俺は咆吼を上げるドラゴンを恐れず、アクセルを全開に踏みしめる!ぼぉん!俺のス○ストSSCの最高速がムーヴに合わさる!さらにニトロによって一瞬にして、音速を超える!
ドラゴンを貫いた!
「ぐがぁあああ!」
どかああああああん!ドラゴンが爆発した!世界が救われた!
俺は車の世界を救った!そして!
「ぶっぶぶぶーぶっぶぶぶー!」
式典に誘われ、レッカー車の上から、ム○ヴと一緒に手とワイパーを振っていた!たくさんの車がいる!
「ぴー……」
ム○ヴが俺に寄り添ってくれる!俺も彼女を優しく撫でる!
「ぶおんぶおん!」「ぶぅううう!」「ぶっぶっぶ!」「ぱっぱー!」「びいいいい!」「ぎゃるるるるるるる!」「ぱっぱぱぱっぱっぱっぱー!」「ぶおおおおおおおお!」
エンジンを唸らせたり、クラクションを鳴らしたり、ドリフトして俺達を祝福してくれている!
俺はなんかム○ヴと結婚することになった!
そして俺は車の世界で幸せに暮らした!
自分の出来うる限り描写を減らした作品です。その結果、描写がそんなになくてもなんとかなるもんだと分かりました。あえて描写を少なくしてテンポを良くするのも良いかもしれませんね。学びを得ました。