004 サービス終了「適性保留」
魔法適正の対象はカラの魔法鉱石に魔力を当てて、光が出ている内に対象者の胸に当てたまま微弱に光が出ていれば適性・・・らしいが。
魔法なんて出せる気がしない、出せたら物事が有利に運ばれるなら良いが、
所詮はちょっと使えて実践向きではないに違いないとネガティブに考えてしまう。
そもそも連戦苦手系男子(自称)だから高度な魔法使えても扱いきれないオチとか勘弁して欲しいのだが・・
やや気落ちしながら目を瞑っていると
「光ってます!光ってますよ!」
「まっっっじで!」
魔法鉱石が緑の蛍光色の光を放つ、慌てて広場から転び落ちた。
ワクワク半分、動揺半分だが今起きている事は奇跡に見えた。
「どどど、どうやって魔法使うの!?」
「落ち着いてください、手を前にかざしてまず光を想像してください。初めから大技は出ませんのでご安心を」
そうだったのか・・ならば深呼吸。想像、発生させるかの如く手を前に出し、気持ちを集中。
魔法が出れば後は教えてもらえば良い、今のこの状況下に救済をっ!
はぁぁぁぁと気合を込める、出る、出せる。これなら!
「出ませんね・・・」
1時間経っても出ない・・しかし、石から光は放っている・・一体どういう事なのか
天候?体調?発動条件?あらゆる可能性を模索したが何も起きず、
最初からやり直してもただ気合の入った声が繰り返し村に響き渡ったのであった・・
一夜明け、先ほどまでのテンションが下がり、生きるしかばねのような顔になっていた。
どうせ俺なんて・・適性はあってもお前には扱えないって神が親切に教えてくれたんだ。
適性と言う形だけは渡してやるって言うせめてもの情けって奴ですか・・
「要らねぇよ!そんなもんはなぁ!」
酒が入った泥酔親父のようにやさぐれていた。もちろん酒は飲んでいない。
分かってた、分かっていたが、あんな反応して期待せずにはいられなかったのだ
人生が変わる程の光と思ってしまった自分がバカみたいだった。
「だ、大丈夫ですよ~調子が悪かっただけですって」
彼女が無理にでも慰めてくれる。それだけで少しは落ち着いたのか
マシにはなった。さてどうしたものか、何か変わった事が起きれば
強制イベント的な物が起きれば楽だったのだが、そうも行かないらしい。
やはり探索しながら昨日の会話にあった「ヴェルフィスター」に足を運ぶしか、今の状況では情報が少ない。
この町とヴェルフィスターとの関係も何か引っかかる。
王女は本当にこの町から人間を追い出す理由が本当なのか出来る範囲で調べてみようか
ただ、この事は彼女には言わん方がいいな。とりあえず何があるかだけさらっと聞いてみよう。
「あのさ、ヴェルフィスターって大きそうな名前だけど紹介所とか酒屋やらあるのかな?行った事なくて色々探そうと思うんだけど」
「基本的に何でも揃いますよ~この町から出てる商品もありますけど、それ以外だとギルドですかね~」
やはりギルド、ここから情報を集めるのも一つの手だなお金の事もあるし・・
あれ?そう言えば武器持ってないじゃん・・丸腰じゃん・・あ、スマホはあるわ。
でもモンスターとかっているのか?今の所見ないんだけど・・と考えていると
「もしかして、行かれるんですか?ヴェルフィスターに、行かれるのでしたら武器は最低限持っていきませんと、
この町の周辺はほとんどいませんがヴェルフィスターの領地まで行くと魔物が出る場合もありますから」
「魔物か・・え?じゃあ下手に外に行けないのでは?」
「その場合はこの町の魔法が使える方と一緒に同行する前提で行きます。魔法が使えない方も戦えますので安心です」
「魔法が使えなくても戦える?どう言う事?」
すると彼女の言葉から意外な事実が判明する
「先ほど・・魔法力が備わってる人、適性がある人しか使えないと言いましたが、魔法を利用した何の変哲もない武器を強化出来るので、魔法適性が無くても戦えるのです」
「理由は分かりませんが、魔法適性が無い方は身体能力が特に高い傾向があるのです。全ての方とは言いませんが・・」
なるほど、そうなると、自分はどっちの適性になるのだろうか・・ますます分からなくなってくる。
どちらにしても今の俺は魔法を使えないみたいだし、武器に強化の魔法をかけてもらって
外に出るしか手は無い。今の考えられる戦力はこれを頼りにする事になる。と考えていると
「大丈夫ですよ~荷台に乗せてもらえるサービスありますので~」
「楽、出来るんかい!でもお金は・・」
「別にこれくらい構いませんよ、お買い物のついでですし。」
女神か・・いきなりイージールート突入とは・・いやしかし、入ってからが本番だ。
情報収集・・・何から何まで調べ尽くす必要がある。
場合によっては往復する可能性もあるし、あまり彼女に頼らんで行こう
でも!今は頼るよね!そして顔を上げ
「ありがとう!俺何とかするから!」
「え、ええ・・・」
と若干彼女を怖がらせるような眼で見つめた。