003 サービス終了「異変」
目が覚めると、そこは緑が生い茂っていた・・
ただの緑だ・・でも気持ちよさがあると思っていたが、
関心している場合では無い。
「すまん、ココ何処?」
一気にさっきまでの気持ちが無くなった、スマホの電源を付けネット検索してみたが・・繋がらない
他の機能もさっぱりだ、唯一使えるのはネットを通さない機能とライトくらいな物。
日本ではないのは明白だった。
「今更ながらどうせ夢だろと思ったけど、夢じゃなかったのか・・」
夢であってもなくても覚めて欲しいが、現実もゲームも進まなければ何も無いのは分かり切っている。
情報を集める、状況を確かめる、それから考える、単純明快だ。
広大な大地を進む、いつかは村など形ある物に辿りつけるのだと
「第一村人発見!おーい!ってあれ・・?」
気付いていなかった・・・どちらかと言うと村人らしき人は逃げているように見えたのだ
逃げていく先に走っていくと、とんでもない物が広がっていた・・
無数に広がる魔法陣らしき物が沢山、さっき見渡す限りでは何もなかったのだ。
「魔法陣っぽいけど・・何か出ないよね?」
ホフク前進になるが・・何も無い。特に意味のある物では無いのかそれとも
後に意味の成す魔法陣なのか・・・何も出ない。
逃げていった村人は見失ってしまった。
逃げていった先は分からないが方向だけ頼りに進んでいくと村が見えた
「何とか拠点になりえそうな場所があってよかった・・茂みで野宿って想像したくなかったんだよな」
と村に入ろうとした瞬間、宿屋らしき建物から女性二人の声が聞こえた
「ここの土地は我々、ヴェルフィスター公国の物になった貴様らには去ってもらう!」
「そんな話聞いてません!聞き間違いではありませんか!?王女は民の為に尽力してくださっているはずです」
「王女からは直筆で明け渡せと言っているがな、これを見ても分からないのか?」
「嘘です!王女はこんな事は望んでいないはずです!無理やり書かせたのでしょう!」
「と言われてもな、証拠も無ければここにある文面の追加要項、実力行使で取り返して見せよとの事だ、
愛すべき村の為だろ?抵抗してもいいと言ってるんだよ。女王はご病気だしな、女王に言っても無駄だぞ?あーはっ!はっ!はっ!」
吐き捨てるように言いながら騎士らしき女性は去って行った。重苦しい雰囲気からドアを開け一言
「す、すいません~」
「あら、いらっしゃい~」
笑顔を絶やさずに迎えてくれた、先ほどの会話が無かったかのように
「ここってどこナンデスカ」
「なんで最後カタコト・・」
「ここはですね町外れのシャーランと言う町です。採掘や農家が盛んで「ヴェルフィスター公国」と友好な町なんですよ~、特別な資源はシャーランしか取れない物もあるので」
「魔法陣の生成や魔法供給に必要な鉱石を届けてます、ちなみにこれがビィルストーンと言って魔法鉱石の中では高い代物なんですよ~」
「その石があれば魔法が撃てるようにもなる?」
「いえ、適性があります。鍛えればどうにかなるものでもなく最初から魔法力が備わってる人にしか使えません。この世界では女性8割、男性2割です」
「ワーオ、なんてレディファーストな世界ぃ・・」
この女の子が言うには魔法鉱石には色々な種類があり効果も属性によって違うという・・
鉱石を使わなくても魔法が撃てる事は出来るらしいが、威力は落ちるらしい。
中には火力に変換しないで魔力タンク用に持ってる使い手や
火力特化で使う人もいるとの事。火力重視で使うと魔力は即枯渇するが、威力を下げて使うと長期戦に便利とか
「え?この石って無限に使えるの?」
「いえ、使い切りです。終わったらただの石になりますから、中にはアクセサリーとして使ってる方もいます、結構扱いが難しくて砕けたら残量に関わらず無くなるんですよ」
「へぇ・・(沢山は持てないって事にもなりえるのか?)」
でもまだ魔法の存在が分からない、どのタイプなのかとりあえず魔法に出会う前に魔法鉱石の存在が知れた事は大きい。
場合によっては魔法を食らう側になりえたからだ、これは運が良いと思い込んで良いのか・・と考えていると
「どうしました?」
「いや、男性2割なら俺って適性あったら超ラッキーだなって魔法撃てるし!」
「でしたら!適性あるかどうかだけ見ます?すぐ終わりますし!」
「そうなの?ではお言葉に甘えて」
宿屋の外に出るとビィルストーン(魔法鉱石)を渡してくれた
「ちなみに貴方は・・えっと」
「ティルシー・クーウェルと申します」
「ティルシーさんね!俺はカミサカ・ミキヒトって言うんだ宜しくね」
自己紹介を終え、適性があるかどうかのテストをする事になった。
月1(日曜)更新になりそうです。