001 サービス終了
上坂幹人22歳 技術職
学生を卒業してから4年、あっという間である。
目標もある訳じゃない・・だが続けている事はある。
そう、高3卒業前からハマっている対戦型VRオンラインゲーム「まっしんぐ戦線」だ
特に有名でも無くむしろマイナーの部類でたまたま名前から
バカゲーだと勝手に思った訳で・・直感で楽しそうと思ったからだ。
ちなみに「まっしんぐ」とは密集・集団という意味である。
基本的にはよくあるFPSゲームと同じ感覚でプレイ出来るが、
とにかくトラップ関連が豊富で銃より多いのではないかと思うほどだ。
元々自分は撃って倒せるほどの凄腕プレイヤーでは無かったのでこのトラップの多さには感激した(実在しない兵器はご愛嬌)
だが初期の頃は強かったのだが、最近は弱く設定されているのである。
それでも楽しくて楽しくてしょうがないのだ。
それから4年経った今でも変わらず続けている。
「今日も設置してやるぜ」と意気込んだ休日、
悲しい知らせが画面上に出てしまうのであった。
「いつもまっしんぐ戦線をご利用いただき、ありがとうございます。みなさまにご愛顧いただいていたまっしんぐ戦線ですが、
今月いっぱいをもってサービスを終了させていただくことになりました」
突然だった・・これから何を糧に生きていけば良いんだと
人生の終わりを告げるような衝撃だった・・
たかがゲーム、いつかはサービス終了するのは分かってはいたが、
それでもオンリーワンのゲームを見つけていたんだ。
「俺にしか戦えないゲームなんだっ・・・」だが
ここで止まっても仕方ないサービスは今月まで、悔いなく楽しもう。
そして最終日サービス終了まで6時間を切った、
幸い日曜だったので時間を惜しみなく使える・・
睡眠をしっかり取り、最後の戦場へと向かう「出陣じゃあ!!!」
とその瞬間「ピー!」エラーが発生。「おい!今日は最終日なんだぞ!」
しばらくすると終了時間不明の緊急メンテナンスが入り操作不能になる。
「一体何だってんだ・・もう終了時間超えてんだけど・・」
終了時間が過ぎても公式サイトには特に告知が無い、しかも5日経つ
サービス終了時間はとっくに超えたはずなのにまだ諦めていないのである。
「決めた、本社行くわ」
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