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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-5-3

3-5-3 

 俺は剣道の道具以外の装備品はよく分らなかったので動きがよさようで軽いものを手に取ると、それをじーっと見ていたレイさんが

「相手の体格は平助さんより数段大きいのでそれでは防御が弱いですね。それにテレビ放送もあるのでそれでは見栄えが悪いかな」とアドバイスをしてくれたうえに

「確か、平助さんは聖剣とトンファーでしたね。軽さと動き易さを重視すると、じゃ装備品はこれとこれかな」と俺のスタイルに合わせて選んでくれた。

その装備品に左の腕にサポーターを付けてみると、なかなかかっこ良かった。


「ありがとうございます。これだと動きが良くて、見栄えもいいですね。まさか装備品の選択があるとは思ってもいませんでした」

「何度も出場される方は自分の戦いに合わせた自前を持っていますので、平助さんも来年も出場されるなら自分で揃えた方がいいかもしれませんね」と教えてくれた。


 時計を見ると9時半を過ぎていた。開会式まで後30分に迫っていたので、俺は軽く運動を始めると直ぐに体が温まったので、これからハードに動かそうと

「すみませんが、これからハードに動くし精神の集中をしますのでレイさんは部屋を出て行ってくれませんか」とお願いして部屋から出て行ってもらい一人になると、ハードに体を動かし今日の体の切れを確かめた後に、それから家から持ってきたき真新しいタオルで用意されている聖剣を磨き出した。


 何度も磨き聖剣がピカピカと輝き出したので精神を集中し会話を試みると魔導の本場の異世界では反応がいいのか、直ぐに声が聞こえたような気がした。

 今度はトンファーにも「今日はしっかり頼むぞ」と更に念入りに磨き上げると、10時前になったらしくドアを叩く音がして「それでは会場へお願いします」との彼女の声を聞いて、錠剤を1錠呑むと顔を2回、3回叩いて気合を入れて、南から貰ったお守りを胸に入れて開会式会場へ出て行った。


 狭い通路を抜けると広い会場が目の前に広がり、2階席では大勢の観客がワイワイと騒きでいた。目を正面に向けるとバカでかい電光掲示板には出場者の顔が映り、色んな数字や説明が出ていた。

 そして、出場者8名が中央に並び主催者が開会を宣言して全員が退場したが、俺と対戦相手だけが会場の東西の隅に残ると電光掲示板には2人の顔がアップになり、その右下に俺は30、相手は1.2と優勝オッズが表示されていたようだが、他の細かい数字は意味が分らなかった。


 賞金や出場料が良かったのはこの戦いが賭けの対象だったからかとやっと納得したが、優勝した場合の俺のオッズが30倍だと、銀貨1枚で金貨3枚に、金貨1枚が30枚になるのか、ダメ元で俺にかける奴はいるのかと余計なことを考えていると「平助ぇ、がんばれ平助」と、か細い声が聞こえてきた会場西の2階の隅の方を見ると、楓の友人だろうか数人が横断幕を掲げてくれていたので手を振って挨拶をしたが、何故か暗い観客席に座っている筈なのに一人一人の顔が良く見えた。

「んー確かに美人揃いだ」と俺にはまだ余裕があった。


 司会者が両者の名を呼び上げると歓声は更に高まり、俺は会場西の方から中央に進み相手と初めて対面すると流石にこの大会を4連覇しているだけの事はある。思ったより体格は俺より一回り以上大きく、腕は太く力が溢れんばかりだし、目と目が合うと俺を睨み付け、その顔は勇者その者だった。

俺は過去の剣道の経験を少しでも思い出したかもと、目を閉じて精神を集中してじっくり考えてみたが未だのようだった。


「まだ10分経っていないのか、それとも俺には薬の効果が無いのか、これでは間に合わないな」と半分諦めかけていたが、会場のスポットライトがピカピカに磨いた聖剣に反射して俺の目に入ると、俺の聖剣の回りに水滴のような物が浮かんでいるのが分った。

「何だこれは、それに動いているぞ」じっとそれを見つめると、見た事もない生き物が数知れず動いていた。

「確かに俺の聖剣は水の属性だが、お前らがその正体なのか、魔導とはこれなのか、お前らが力を貸してくれていたのか、今日の試合は頼むぞ」と、お願いをするとその生き物は激しく動き出し、右手に力が漲り出し熱くなって行くのが分った。



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