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「やっと仕事は終わったよ。ごめんね、今日は遊べなくて」と、すまなそうにしているので、
「全然、気にしなくてもいいよ。それが仕事だろう」と労った。
俺のアザや傷は彼女や南のお陰で大分治っていたので、今日は俺は汗止めスプレーをしてパジャマに着替えて彼女の隣に座るといい香りがしたのか、
「あら、平ちゃん、いつからそんな物使うようになったの、この前来た時には確かそんな物はしていなかったわよね」と何やら怪しいと感じたらしいが、
「そっかな、していなかったかな」と白々しく言うと
「どこかの女の子にでも汗臭いって言われたの」とサクラの言葉をズバリ言い当てたので、急にむせ出し、堰をし出したがどうにか押さえて
「誰が、そんな事を俺に言うんだよ。君が汗臭いのは嫌だと思って使っているの」と少し嘘をついてしまった。
「へぇ、そうなんだ。私のためね」と俺に近づき香りを嗅いできたので
「どうだ、いい香りだろ、これでずーっとこうしていられる」と、そのまま彼女を後ろから抱きしめていると
「毎夜、お酒飲んで愚痴ばっかり言ってごめんね。でも、今日は飲まないから」
「あぁ、時には飲むのはいいけど毎日は駄目だよ。でも、あっちじゃ毎日飲んでいるんだろう」と、なんでもない会話をし続けていたが、それが俺には幸せだった。
「そうそう、左腕のサポータと薬の件だけど、遅くなるけど大会当日でいいかしら。今から準備しても、ちょっと時間がかかりそうなの」と彼女が用意をしてくれると教えてくれた。
俺は、そう簡単には大会までに用意ができるとは思っていなかったので、
「大会に間に合うのなら、ありがたい。本当にありがとう、絶対勝つから」
「勝ち負けはどうでもいいの、ただケガだけはしないでね。危なくなったら早めに棄権して、無理はしないように」と忠告してくれたが、俺もそうだと思っているが、それが俺にできればいいけどなと思った。
「そうそう、朝のアラタが言った事は全部嘘だから、怒らないでくれる」
「アラタさんが言った事って、楓とお手手繋いでお昼寝していた・・、そんな事は今は信じちゃいないわよ。でも、あの時は少しは頭に来たけどね」
「偶然2人でお昼寝はしていたけど、手とか繋いでいなし・・」
「あら、半分は本当なのね」と彼女は笑っていたが
「そうね、楓も1人でこっちの世界に来ているし、そろそろホームシックにかかる頃かな。平ちゃん、暇な時にでもあの子を何処かに連れて行ってくれないかな」
「分ったけど、どうして君がそんな事を俺に頼むんだい」
「どうしてって言うと、彼女は私によく似ているのよ。私もあの頃は寂しさを紛らすために剣術に没頭していたし、だから分るのよ」
「あの頃って何時の頃かな。君の年がばれるような事を俺に話してもいいのかよ」
「あらいけない、今の私はまだ17歳の女子高校生です」と可愛く笑っていた。
「それで、楓とアラタさんはどう」
「どうって何がだい」
「平ちゃんは、鈍いんだから。2人の仲よ、2人は上手く行っているの」
「上手く行くもなにも、ちゃんと2人で毎日剣術の練習しているけど」
「そんな事じゃなくて、私達のようにラブラブなの、だから私がアラタさんに楓の弟子入りを頼んだのよ」
「えっ、君が頼んだの、奴にの弟子入りを」
「そうよ、彼、女嫌いでしょ、だから、話の合う可愛い子を紹介したって訳なの」
「また、余計な事して。奴は女嫌いなんかじゃないよ。南しか見えてないだけだよ。それに楓も剣術が上手から奴に弟子入りした訳で、好きだとはちょっと違うと思うけどね」
「それじゃ、全然私の勘違いな訳。でも、彼の好きな人って南さんなんて驚きよね」
「あぁ、俺もちょっと前に知って驚いたけどね。それで奴が南とのプールに自分も誘えって、大変だったんだよ」
「へぇ、そうなんだ。それで平ちゃんは彼女とどうしてプールに行った訳、そこを私は知りたいな」
「それは、もう忘れたから、また今度でいいかな。」と言うと、彼女は俺の太ももをギュッと摘んだので
「それは、母さんが勉強ばかりで大変だから南をプールに誘えって言うから、仕方なく誘ったの」と、また苦し紛れに半分嘘をついてしまった。
等々となんでもない会話をし続けていたが、夜も深まったので彼女は自分の部屋に戻っていった。




