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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-3-3

3-3-3

 剣道場に着くと、アラタと楓は隅の方でひと練習が終わって汗を拭きながら今日もサンドイッチを食べていた。アラタはヒカリが今日も練習に付いて来ていることに気が付き

「今日、姫は練習に付き合っていただけるのですか」と尋ねると

「はい。それですみませんが、今日は平助と立ち会いたいので、道具一式を貸して頂けませんか」と頼んだ。どうも彼女は本気で俺と立ち会う気みたいだ。

「これはありがたい。このチャラ男は昨日も楓と仲良くお手手を繋いでお昼寝をしていましたので、気合を入れて下さい」と奴はとんでもない事を言い出し、楓も横にいて否定をしないので

「平助、私が仕事でいないのをいい事にお手手繋いでお昼寝ですか、それで毎日練習が楽しいわけですね。今日も私との楽しい練習がまっていますわ」と俺を睨むと、初めて半獣以外で怖いと思ったがもう遅かった。


 早速俺と彼女は着替えて準備体操をして体を温めると、俺は右手には竹刀、左手にはトンファーを持つと、大人に変身した彼女は木刀を手にした。

「下手をすれば、半殺しじゃすまない。俺は殺される」と恐怖で震えていたが、

「じゃ、平ちゃん、私を対戦相手だと思ってかかってきて下さい。私の振りをちゃんと左のトンファーで受け止めてね」と彼女は意外と優しく即すので

「じゃ、お願いします」と俺が右手一本で竹刀で振りかかると、すーっと体だけで避けて、彼女は木刀を余り力を入れずにすっと振り下ろした。

俺は左腕で受け止めるとアラタの振りと同じぐらいの強さだったので安心したが、少しずつ彼女の調子が上がり力を入れだすとその振りは重く、おれの左腕に凄い衝撃が走りだし、たった一振りがアラタの数振り分のように感じ始めた。


「そろそろ、調子が出てきたみたい。平ちゃん、ちゃんと受け止めないと怪我するわよ」

じゃ、彼女の本当の振りはこんなものじゃないのかと俺は恐ろしくなっていたが

「たぶん彼の試合での振りは私の振りとは比べ物にはならないわよ。じゃ、今度は私の振りを体だけで避けてね」と木刀をまたすっと振り下ろすと、どうにかギリギリで避けた筈だが、顔の辺りに痛みを感じたので手で触れてみると少し切れていた。

「バカな、俺は避けた筈だ。剣先は当たっていないのに切れている」と俺は驚いたが、

「彼の振りは上手く避けても風圧で切れる筈よ、もう少し早く正確に避けなければ、深い傷ができるわ」と忠告してくれた。その後も彼女は色々指導しながら稽古をつけてくれたが、俺の竹刀は一度も彼女に当たらなかったが、俺の切り傷は増えていった。


「じゃ、休憩しましょうか」と彼女の一言で俺は地獄から開放された。楓が救急箱を持ってきてくれてケガの手当てをしてくれたが、ヒカリはそんなことより何か悩んでいるようだった。

「どうしたの、こんな場所で悩み事でも」と彼女に問いかけたが

「平ちゃん、残念だけど今度の武道大会は棄権しくれない」と彼女が思いつめた顔で急に言い出した。

「どうして、これまで練習してきたし俺にもやる気が出てきた。それに君に指輪も買ってあげたいし」と答えると

「でも、もしもケガでもしたら・・、指輪なんかどうでもいいから」と真剣に俺を見つめた。


「君には黙っていたけど、俺がこの大会に出場できたのは何か裏があるんじゃないかと思っているんだよ」

「裏って・・何の事?」

「俺の出場の推薦してくれたのはあのじいさんだし、それに出場が決まっていた勇者が襲われて辞退だろ、絶対おかしいよ。本当は俺なんかがこんな大会に出られる筈がないのに」

「じぃが一口噛んでいるのね。じゃ、何かあるんでしょうけど・・」

「もし、俺が1回戦で無様にも彼に秒殺されると、どうなる、それも全国民の前でだぞ」

「たぶん、強さと誇りを重んじるバンパイア族からすれば、王族達は私達が付き合う事に反対の方向に行くわね。そして、私の説得にかかり、無理やり国に連れ戻されて2人は引き離されるかも」

「そうだろ。じいさんはそれが目的じゃないかと思うんだよ」と答えると彼女は少し悲しそうになった。



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