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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-2-3

3-2-3

 また3人での立ち会いが終わりいつもなら休憩が入るのだが、俺の息が少し上がっているのを見てアラタは

「さぁ、これから一番嫌な練習を始める」と言い出した。

「何だ、その一番嫌な練習とは」と俺が尋ねると

「当たりだ。端的に言うとぶち当たりだ。必ずしも相手は剣で攻めてくる訳ではない。特に相手の体格が自分より劣る場合は体ごとぶち当たって、相手を倒して戦意を喪失させる。特にこの攻めは相手が疲れた時に非常に有効だ。そして今がその時だ」と教えてくれた。

「確かに、ヒカリから装備の厚い接近戦は体ごとぶち当たって、相手を倒した事は習ったが」と思っていると、アラタの合図で天井から大きなサンドバックが降りてきて、これを俺にぶち当てて俺が倒れ、起き上がる練習が始まった。


 最初はサンドバックにぶち当たり倒されても、直ぐに起き上がれたが、何度がサンドバックにぶち当たり倒されると起き上がる気力が湧かなくなりそのまま床に大の字になった。

「おいおい、これで終わりか」と罵声を浴びせられると

「なにくそ」と、どうにか立ち上がれたが、それも1回きりだった。

「確かに嫌な練習だ。体格のいい相手にこれをやられると戦意を喪失し、試合に集中できなくなるな」と、ハァハァと息を上げてそのまま俺が起き上がれずに朝の練習が終わった。


 俺はお昼を食べ家に帰るのが面倒くさいので今日は弁当を持ってきていた。

そして剣道場の隅で食べることにしたが、アラタはいつものように食堂でお昼を食べて少しお昼寝をするらしいので、午後の練習開始までには結構時間があった。

俺も弁当を食べたので休憩しようと横になっていると、アラタの世話を終えた楓がおにぎりを持って俺の横にちょこんと座ってお昼を食べ出したので、初めて彼女と普段話をした。


「平助は今日はお弁当なの?」

「あぁ、一々お昼ごはんを食べに家に帰るのが面倒なのでね。

それで、君もこっちの世界に来てもう2ヶ月だけど、こっちの生活には慣れた?」

「だいぶ慣れましたよ。学園で沢山友達もできたし、それに剣道部も楽しいですしね。それにしても、平助は酷い人ですね。転向してきたばかりの時は知り合いはアラタさんと平助しかいないのに、学園で会っても全然声をかけてこないし・・噂通り女嫌いですか、それとも・・」と愚痴り出した。


 剣道場では気軽に楓に声をかける事は出来ても、確かに学園で南以外の女生徒に声をかける事は、例えそれが楓だったとしてもまだ出来ていなかったようだ。

「そっかな、全然気付かなかったよ、ごめんごめん。でも楓は男子生徒に人気があるって聞いたけどね」と話題を変えてごまかした。

「男子に人気が・・そうですかね」と少し照れていたが

「そうそう、最初は君をお手伝いさんかメイドさんと思っていたんだ。奴の弟子だとはちっとも思わなかった。だってあんな服を着てたし、それにとても可愛かったし。あれを見ると男はイチコロさ」

「お世辞は上手いのね」と笑うと彼女の顔を赤くなった。


「それで、秋の大会には出られそうなの」

「それが、残念ながらうちは選手層が厚いので秋の大会は無理みたいです。

でも、平助は凄いですね、武道大会にも都の大会にも出られて、本当に剣道を始めてたった2ヶ月なんですか」と俺を羨ましがっていたが

「前にも言っただろう、俺の記憶に剣道の経験は無いって。でも嘘をついている様で悪い気がするので本当の事を言うけど、たぶん剣道は子供の頃からだと10年以上はやっていると思うよ。ただ残念ながら俺の記憶に無いだけさ」と笑うと

「えっ、10年以上やっているって・・、それじゃ私より剣道やっているじゃないですか。それを2ヶ月なんて言うのはズルイですね。じゃ、もしかすると記憶が戻ると今よりもっと強くなるのかな」と何気に呟いた。


 俺は楓の言葉を聞いてハッとした。

「そうだ、そうかもしれない。記憶が戻るともっと強くなるんだ」と直ぐにでも、もっと強くなる方法が見つかったので驚いた。

「ありがとう、楓、これでまたやる気が湧いたよ」と感謝すると

「ありがとう・・って、私、何かいい事を言いましたか。 

でも何故でしょうね。剣道の記憶を消したんでしょうかね。そんな記憶、残しておいてもどうって事ないのに」と彼女も不思議がっていた。

 そう言えば、前にサクラも不思議だと言っていたけど、どうして消したんだろうか、そんな俺をなぜ勇者として召喚したんだろうかと疑問が湧いてきて、少しその答えを考えていたが、横になると疲れとお腹を満たしたので少し眠たくなり始めて、そのまま自然と眠ったようだ。


 お昼寝から覚めたアラタが剣道場に戻ってくると俺と楓が仲良くスヤスヤとお昼寝をしていたので

「おいおい、硬派が女子と仲良くお昼寝か。それに姫にこんな所を見られたら一大事だぞ。おい、こら、お昼寝の時間は終了だぞ。さぁ、気分一新で練習だ」と起され、午後からのいつもの練習を再開したが、練習中も俺の頭の中は何か記憶を取り戻すいい方法がないのかと考えていた。


 

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