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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-1-9

3-1-9

 遠くの方から大人のヒカリが帰宅のサラリーマンに混じって手には白いビニール袋を持って、顔を下にしてぼちぼち歩いて帰ってくるのが分った。

可哀想に相当疲れているな。でも、あれが本当の彼女の日常の姿かもしれないな。

そう言えば母さんも毎日働いているのか。それでも毎日ちゃんと夕飯も作ってくれているのだなと普段は気にも留めないことを彼女の姿をみて感じた。


 そして、直ぐに彼女の方に走って出迎え「お疲れ様」と声をかけると

「疲れた、疲れた。だって被害者の家が遠いんだもの。もう少し暗ければ飛んで帰ってきたのに」と彼女はぐったりしていた。

「飛んで帰って来たって、どういう意味。もしかして君は飛べるの?」と驚いた俺が訊くと

「私が飛べる訳ないでしょ。言葉の綾よ」と、とぼけていたが、今考えてみれば捜査の後に朝早く電車も無い時間にどうやって家に帰ってきたのだろうか。


 きっとまだ俺に隠し事があるのだろう。その辺はまた今度彼女が元気な時にでもじっくり訊こうかと思い

「荷物でもとうか ちゃんと夕飯は食べた?」と話題を変えると

「食べた、食べた。早くお風呂に入って汗を流したい。そして冷たいビールを飲みたい」と手には駅前で買った缶ビールがコンビニの袋には入っていた。

「もうすぐ家だぞ。その姿はそろそろマズイだろ、早く元に戻れよ」と注意すると

「あっ、いけない。あんまり疲れていたので戻るの忘れていた」と笑い出し、コンビニの袋を俺に手渡して電柱の陰に隠れて元の姿に戻った。


「それでビールどうしようか。家に持って帰るとマズイかな、でも飲みたし」と、どうしても飲みたそうな顔で俺をのぞき見るので

「分った、分った。俺が冷蔵庫で冷やしてやるから、お風呂上がったら持って行ってやるよ」とコンビニの袋をそのまま持ってやると、彼女の疲れた顔がニコニコになったが家まで今日の仕事の愚痴を聞くことになった。

「母さん、ヒカリが帰って来たから」と居間でテレビを観ている母に声をかけると、そーっと母には分らないように冷蔵庫に冷やしておいた。


 ヒカリは部屋に戻ると「汗臭いのは嫌い、早くビール、ビール」と直ぐにお風呂に入りだしたので、俺は自分の部屋で彼女がお風呂から上がるのを待っていたが、女性の風呂はなぜか時間がかかるもので、俺も汗だくのままで結構待っていた。

 彼女がお風呂から上がってくるとそのまま俺の部屋に来て、お風呂上りのパジャマ姿の彼女は一段と可愛いかったし、いい香りがしたが

「平ちゃん、ビール、早く」しか言わないので、母に見つからないように直ぐにビールを取ってきて渡すと自分の部屋には戻らずに直ぐに蓋を開けて飲みだしてしまった。


「しまった。俺の部屋で飲みやがった」彼女には俺の部屋では絶対に飲むなよと以前から注意していたが、余りにも美味そうに飲むし、俺もバット振りで汗を掻いていてベタベタだったので風呂に早く入りたかった。ここでもめる時間が勿体無く注意をせずに直ぐに風呂に入っしまった。

 俺が風呂から上がって部屋に戻ると彼女は女子高生の姿で俺の部屋で既に缶ビール2本も飲み干して少し出来上がっていたが、初めて見る少し赤い顔の彼女も一段と可愛いかった。でもそれが大違いだった、


 最初彼女はニコニコして俺とまた会えて嬉しいと俺にベタベタしながら楽しそうに話していたので俺も安心していたが、途中から急に何故か連絡がないだのとか付き合いが悪いだとプンプンと怒り出し、俺の胸や背中を叩くと、今度は仕事の愚痴を言い出すとシクシクと泣き出したので、俺はこんな状態の女性を見るのは初めてなのでどうしようなくて困惑していた。


「分かった、分かった」と仕方なく後ろから軽く抱きしめて頭を撫でると言いたい事を吐き出したのでスッキリしたのか彼女は俺の胸の中でスースー眠り始めた。

「しまった。このまま俺の部屋で寝られては、後々大変だ」と思ったが

「久しぶりの寝顔もまたいいな」と、いつもの下心が出てしまい

「少し暑苦しいけど、きっと朝までには起きるだろうし、まぁいいか」と、そのままずーっと抱きしめていたが、知らぬ間に俺も疲れから寝てしまったようだ。





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