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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-1-8

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 夕飯の時間になってもヒカリが帰ってこなかったので俺は少し心配していたが、母はそんな事は気にも留めずにごはんをさっさっとよそって食卓に着くと何気に

「さっきヒカリちゃんから連絡があって、大学の説明会が長引いているので、帰りが遅くなるって」と夕飯を食べ出した。

「えっ、母さんに連絡して来たの。何だ、あいつ俺にメールもしないで母さんに連絡したのか。あいつは俺に連絡しろとよく言うけど・・」と愚痴ると

「あんた達、私に愚痴るほどそんなに仲がいいの。そういえば夕べも部屋でドタバタと何をしていたのよ」

「あぁ、あれは探し物さ。ヒカリが説明会に持っていく資料が見つからないとかで探していたんだよ」とごまかしたが、

「そっか、説明会が長引いているのか、それは仕方ないな。俺も午後から急な用事ができて、彼女に付いて行ってあげられなかったし・・」と呟いた。


「あんたに急な用事って、珍しいわね。母さん、いつも部屋でゴロゴロしているとばかり思っていたのに」

「ゴロゴロは夏休み前まで。もう直ぐ都大会があるだろう、その話さ。もしかして俺も出場できるかも」と、その場しのぎで言ったが、母がそれを信用して

「剣道であんたが出るの、あんたの学校は全国大会常連校よ。嘘ばっかり言って、2ヶ月やそこらで大会に出られる訳がないじゃない」と否定的だったので

「そりゃアラタには全然適わないけど、こう見えても俺は剣道は結構上手いんだよ。もし、間違って都大会で優勝でもしたら大学に推薦してくれるかも、それも特待生で推薦だよ」と、むきになってアラタから聞いた事を話した。


「それは、凄いわ。剣道で大学に入れるなんて母さんちーっとも知らなかった。

もしかしたら、それがスポーツ推薦って言う奴かな。

それに特待生って入学金とか授業料とか要らないやつでしょ。

それじゃ、家の為にも確り頑張ってもらわないと」と俺を励ました。

「そっか、入学金とか要らないなら家の事情を考えて、武道大会の後からでも真剣に都大会のための練習をしなといけないな」と思った。

 珍しく母との会話があった夕飯だったが、母からもやっぱり俺が子供の頃に剣道をやっていた記憶が消えているのかと残念だった。


 夕飯の後には左腕の腫れは既に引いていたがまだ少し違和感が残っていた。

前回の優勝者を相手にするためには、明日からどんな練習をすればいいのだろうかそればかりが気がかりだった。

 今夜はいつもとは違い公園には行かないで、ヒカリの帰りを待つために駐車場で右手には重みのあるバットを持って片手で振っていたが、しっくりこない。そんなことを考えていると丁度帰宅した南と会った。

「平助、今日は珍しいわね、こんな所でバットを振っているなんて、剣道をやめて野球でもするの」と冗談を言ってきたが

「今お帰り。お前も遅くまで大変だな。休みの日でも勉強ばかりで、少しぐらいは運動しないと病気にでもなるぞ」と答えた。


「そういえば、彼女が帰ってきたみたいね。これからずーっと一緒に住むの」と、また冗談を言ってきたが

「おいおい、俺はまだ高校生だぞ。今度は2,3日遊びに来ているだけだ、心配はいらないよ、彼女は火曜日には帰るよ」

「今回はあれは要らないの」と手で杭を打つ動作をするので

「そんな物いるもんか、ヒカリが借りに来ても断ってくれよな」

「そうなの、それはいいけど、二股はよくないからね。望ちゃんを泣かすと私があんたの心臓に杭でも打つわよ」と俺に忠告して家に帰っていた。

「確かに二股はよくはないな」と当然俺にも分かっているけど、今度サクラに会ったら、どう対応すればいいんだろう、何を話せばいいんだろう、俺はまだ記憶が戻ってきていないのに、でも今の自分にはそれはどうしようもなかった。



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