3-1-7
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早速俺は左手にはトンファーを持ちアラタの聖剣による攻撃を受け止める練習を始めたが、奴の振りはしなやかなヒカリの木刀の振りとは異なり重かった。
最初の5分ぐらいは調子よく受け止められて左腕はなんともなかったが、時間が経つにつれて受け止める回数が増えてくると左腕は少しずつ赤くなり反応も鈍くなった。このままではマズイなと思って受け方を工夫してみても、どんどん腫れ上がって力が入らなくなり上がらなくなっていくばかりだ。
そして、武道大会での試合時間15分を過ぎたぐらいに、俺の左腕を心配してアラタが休憩を取った。
直ぐに楓が氷を持って来て俺の左腕を冷やしてくれたが、15分もの攻撃に耐えていたので紫色に変色していた。
「どうだ、左腕は、やっぱり無理か?」とアラタは心配そうだったが
「痛いと言うよりは、今は痺れていて全然左手に力が入らない。10分でトンファーを落としてしまいそうになった。試合時間15分は無理だな」と答えると
「どうやらサポーターをしていない練習だと1回10分ぐらいが限界かもしれない。これ以上練習を続けても骨に異常が出たら元も子もないしな。
これが試合になると相手は俺達より力のある勇者だ。もし、相手があのじいさんの護衛クラスだとしたら俺達より身長は15cm、体重は20kgは上だろうから、攻め続けられるともって5分か・・」と結論付けた。
「そうだな。5分もつかだな。でも初戦だけは相手の最初の一撃をどうやって防ぐかが勝負だ。聖剣にヒビが入る衝撃に俺の左腕が耐えられるかどうかだな。
去年の優勝者は俺より大きくそれに相当強いし。どうせ俺との試合は15分も長引かないだろうしな」
「おいおい、聖剣にヒビが入ったって、お前はどうしてそれを知っているのだ」とアラタは驚いていたが
「それは何の事だ、それより練習だ」と俺は惚けて黙っていた。
練習だとは言ったものの、俺の左腕の腫れがなかなか引かないので、いつものように3人で剣道の練習を始めるようにした。
楓はその方が自分も練習に参加できて嬉しそうだった。
俺もいつもの胴着に防具を着けて練習を再開したが、どうせ都大会に向けての練習はしなければいけないので、それはそれでいいのだが、俺の右手一本での打ち込みはヒカリが言っていたように力が入った振りではなかった。
「こっちも、どうにかしないと・・筋力アップが要るな。取り敢えず、後一週間、短い時間でどこまでできるのか分からないが、精一杯できる事は全てやるしかないな」と思った。
やっと練習が終わって汗を拭いている2人に
「大会の応援にはもちろん2人とも来てくれるよな」と早速頼むと
「無理を言うなよ、残念だが異世界に召喚されるのはお前1人だけだ。
一人で頑張ってこい」とアラタから言われると
「勿論応援には行きたいし、あっちの世界にも帰りたいけど、私もそう簡単には帰れないのよ」と楓も残念そうにしていたが、
「じゃ、俺1人で異世界に行って戦うのか。回りは相手の応援ばかりで寂しいな、やる気が湧かないよ」と愚痴ると
「姫は応援には来てくれないなのか、お前の元気の源に頼めよ」
そうだった。彼女には出場の話はしたけど、応援の事は当然に来てくれるものだと思って頼んでいなかった。でも、彼女1人だけの応援じゃ少し寂しいな。
そうだサクラにもと考えていると、ずーっと何かを考えていた楓が、
「そうね。じゃ、とびっきり美人な友達にでも応援を頼んでおくわ。でも上手く連絡が取れたらの話よ」と俺を勇気付けてくれた。
そうだな、サクラとヒカリが会場で出会ったら俺の試合どころじゃなかったとバカな考えを反省したが、それでも知らない場所に一人で行くのは気が引けていた。




