3-1-1
3-1-1 9月18日土曜日
ピポピポピーとけたたましく目覚ましが鳴った。昨日のうちに目覚ましの音をサクラの声からまたチャイムに戻しておいてが、いつもより遅い朝7時だった。
夕飯の時に母にヒカリがいる間は朝ごはん時間を少し遅くしてと頼んでいたのだ。
さっそく隣の部屋のドアを叩いてみると、やっぱり返事がない。
こっそり覗いてみるとまだスヤスヤ眠っている。
「朝方ゴソゴソと音がしていたが、やっぱり彼女だったのか。
仕事明けじゃ朝はきっと起きられないな。これでは召喚設定での学園への転向は無理だな」と再確認し、彼女を起そうかどうか迷ったが、きっと疲れているのだろうとそのまま静に1階に下りた。
「ヒカリはどうする。今見たらぐっすり眠っているけど、起してみる?」と朝ごはんの準備をしている母に尋ねると
「そうね、どうせなら3人で食べたいし、よかったら起してくれる」と頼まれたので、また2階の彼女の部屋に戻りまだ眠っている彼女の鼻をつまんで
「お姫様、お食事の用意ができましたよ、起きて下さい」と耳元で囁いても、何ら変化はなく少しも起きようとはしなかった。
早く、本当の事を言えればいいのにな。そうすればこんな事をしなくて済むし、いつまでも寝かしてあげられるのにと思ったが、それを言えるのはいつの事だろう。
やっぱり疲れていたのかと、仕方なく起すのを諦めてまた1階に下り
「ぐっすり眠っているよ。起こすのは無理だ、諦めて朝ごはんは2人で食べよう」と楽しみに彼女を待って食卓に座っている母に話すと
「久しぶりに、ヒカリちゃんとお話がしたかったのに」と残念がっていたが、
俺との会話の少ない朝ごはんをいつものように食べると、俺にはアラタとの立会いの約束があったのでトンファーとホルダーを入れてある赤いバックを手にして、直ぐに家を出て剣道場へと向かったが、
「後でヒカリちゃんが起きたらお話でも、そうそう、お買い物の約束も」と母はいつもより明るかった。
自転車で剣道場に着くと、アラタと楓は隅の方で汗を拭きながらサンドイッチを食べていた。
既に一度目の練習は終了し、軽く朝食を取っていたのだ。アラタは俺に気が付くと
「急にどうした。稽古がしたいとは、学園の道場じゃ駄目なのか」と訊いてきたが
「駄目じゃないが、剣道ではなく、聖剣を使っての剣術の方なので、学園じゃマズイかな」と答えると
「そうか、聖剣の方か。てっきり都大会のための剣道の練習だと思っていた。
剣術の稽古とは、武道大会に出られないので俺には直ぐに剣や盾を使う予定はないけど、お前が望むならそれは俺も構わんけど」と親切にも、稽古を付けてくれるみたいだ。
「じゃ、着替えてくるので少し待ってくれ。朝早くからすまない」と俺が奥で剣道着ではなくジャージに着替えて、トンファーを挿したホルダーを左足に装着した姿で2人の前に現れると、
「何だ、その足に付けている物は、ガンベルトでもないし、まさか警棒か」と見た事かなかったの驚いていたが、警棒が思い付くとは流石だ。
「そうだ、トンファーさ、これを盾の代わりにしようと思っいる。すまないが今から俺と立ち会ってもらえないか」と頼むと
「それはいいけど、いきなり聖剣ではマズイので、まずはとりあえず竹刀でいいか、じゃ俺も竹刀でやるか」と2人とも剣道具を身に付けて稽古を開始した。
アラタが俺に竹刀を上から振り下ろすと、俺は左手のトンファーで正面でそれを受け、直ぐに右手の竹刀でアラタに振り下ろすと、奴はすっと後ろに下がってそれを交わした。
今度は、アラタが竹刀を横から振り下ろすと、さっきと同じ様に左手で受けて、右手の竹刀で攻撃すると、奴は後ろに下がってそれを交わした。
次に、アラタが竹刀を上から振り下ろすと、さっきと同じ様に左手で受けて、右手で攻撃しようとすると、奴は後ろに下がってそれを交わそうとしたが、待ってましたとばかりに直ぐに俺の左手のトンファーを半回転させて攻撃すると、さすがに交わせずに右脇腹に入った。




