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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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 俺と母、それにヒカリを加えた3人で夕飯を食べながら彼女の家族や学校のことを話していると、いつもは母と2人で静かに時間をかけずに済ませる夕飯も、今日は数年ぶりに家に明かりがついたように楽しく食べることができた。


 夕飯後に各自お風呂に入って俺が自分の部屋でスマホでゲームをしながら寛いでいると夜9時ごろ部屋のドアを叩く音がした。

誰だろうとドアを開けるとトレーナーに着替えた彼女が立っていた。

「平ちゃん、お試し時間ですよ。さぁ公園までジョギングでもしながら行きましょう」

「えっ、じゃ今までの話は、本当なの、俺は冗談かと思っていたよ」

俺は、真剣にはお試しモンスターのことを考えていなかったので、まったく準備をしていなかった。

「またぁ、早く準備して下さいね」と彼女の誘いでばたばたとトレーナーに着替えて、2人仲良くジョギングして公園まで行くと、日頃から運動不足な俺は既に息が少し上がっていた。


 公園に着くと、彼女は何か楽し事が始まるかのように

「平ちゃんは得意な武術とかありますか、例えば剣道とか、空手とか」

「俺は、そんなものは無いけど、強いて言うなら格闘技ゲームかな」

「すみません、訊いた私がバカでした。それでは、今日は剣と盾が使えませんので打撃戦で練習しましょうか」と彼女は、暗くなった公園には誰もいないのを確認し何やら呪文を唱え始めた。

すると、体格が小柄な女子高生からみるみる筋肉隆々のプロレスラーのように、顔は俺好みのかわいい顔から動物園で見た虎のように毛むくじゃらの顔の半獣になり

「さぁ、始めましょうか。構えて下さい」と声まで半獣になった。

 これはテレビのドッキリではない現実だと驚きで腰が抜けそうになり、恐怖で俺の心臓が止まりかけ、三途の川のある世界に召喚されそうになったが、その半獣は容赦なく次々にパンチや蹴りで攻撃してくる。


 げぇ、これを30分、殺されると思い、抜けそうになった腰で頑張って逃げたが

「逃げては駄目です。かかってきて下さい」

「無理無理、勘弁してください、お願いですから殺さないで下さい」

彼女の真剣な攻撃を避け続けてゼイゼイと息を切らし、ものの5分で動けなくなり公園の芝の上に大の字に倒れた。

「しょうがないですね。明日からは昼間も訓練して体力をつけましょうか」

倒れている俺に彼女からの優しい言葉はなく、動けるようになるとその後も容赦なく次々にパンチや蹴りで攻撃してくるし、捕まえられると投げられ、逃げては捕まえられの繰り返しに「これが本当に子供のおもちゃかー」と叫んだが、あとの25分間で俺の1か月分、いや1年分の体力を使い切ってしまい、自分では立って歩けない状態になってしまった。

 その後、意識まで無くなったのだろか、どうやって自分の部屋に戻ったか覚えていないが、やっと長い1日が終わり、次の朝いつものように目覚ましベルが鳴った。


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