表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
44/634

2-2-5

2-2-5

 部屋に戻ると少し片付け、今日は聖剣を使っていなかったので剣を手にし呼び出し大きくした。そして、明かりを消して精神を集中して聖剣との会話を試みた。

 午後にプールでリフレシュできたので、きっと頭も冴えていると思っていたが、相変わらず聖剣からの応答はなかった。

 午後の練習も出来なかったので、仕方なく今夜は少し長く会話を試みようかと精神を集中しようとした時、2階の階段を上がる音がしたかと思うと俺のドアを叩き「平助、まだ起きているの。もう寝た」と尋ねる望の小声がした。


 俺は、意外と2人の無駄話は早く済んだのだなと、

「大丈夫、まだ起きているよ」と明かりをつけドアを開けると

「これ南ちゃんに貰ったんですけど、どうしましょう」と彼女はスイーツの入った袋を手に持っていた。

「こんなにいっぱい、そうだな冷蔵庫にでも入れておけば、きっと母さん喜ぶよ」と俺は簡単に答えたが、さすがに他人の家の冷蔵庫は開けづらいようなので、

「すみませんけど、冷蔵庫にお願いします」と彼女は袋を俺に手渡すと

「ちゃんと掃除をしましょうね」とさっき片付けた筈の俺の部屋を見て駄目出しをした。


 彼女に何か気になる物でもあったのだろうか、何気に

「部屋に入ってもいいですか」と訊いてきた。俺には特に拒む理由もないので

「もちろん、いいよ、どうぞ汚い部屋ですけど」と部屋に入れると

「荷物がたくさん。すみませんね、私に部屋を空けるために」と部屋をぐるりと見渡すと、机の上の作りかけのパズルが目に留まった。

「あれ、後ワンピースなのに、完成させないんですか」

「いや、完成させたいけど、失くす筈が無いのにどこを探してもそのワンピースが無くてね。バカな話だよね、数年前からそのままでさ、この通り埃を被ってしまったよ。でも、なぜか片付けられなくて、俺不精だから」と言い訳すると

「失くす筈が無いなら、そのワンピース誰かにあげたんじゃないの」と変なことをい言うので、

「そんな筈無いよ、こんな大事な箇所のピースを人にあげるなんて、きっと失くしたのさ」

「じゃ早く見つけて、完成させて下さいね」とこれには余り興味がなったようだ。


 今度は、今まで俺が手にしていた聖剣を部屋の隅で見つけると

「もしかして、あれが聖剣ですか」と訊いてきた。

そうか未だ呼び出して30分経ってないんだと

「そうだよ、もう直ぐ30分経つから、早めに見ておけば」

と誘うと、彼女は聖剣を触りもせずに顔を近づけて

「へぇ、これが聖剣ですか。こんな近くで見るのは初め」と興奮していたが

「早く手に取って触ってみて、もう直ぐ元に戻るから」と彼女を即したが

「それはできません。掟で女性は触れられないのです」と残念そうに答えた。

「へぇ、そうなんだ。じゃ、元の小さいおもちゃも駄目なの」と訊くと

「掟ではおもちゃの剣は触ってもいいのですが、でも誰も私には触らせてくれません」と悔しそうにしているので、

「じゃ、もう少し待ってね、元に戻るから」と2人で聖剣が元に戻るのじっと待っていると、30分過ぎたのか元に戻り始めると、直ぐに小さな剣になった。

「わぁ、凄い。こうなるんですね」と初めて見たのか、彼女は俺の手をギュッと握って凄く興奮して騒ぎ出したので、

「しー、母さんが起きてきて、耳が痛い事を言われるぞ」と注意すると

「そうですね、ごめんなさい」と素直に小声でぼそぼそと話したので、

「そんな小声じゃなくてもいいよ」と俺が笑うと「そうですね」と彼女もクスクスと笑い出した。


 俺が元に戻った剣を彼女の掌に乗せると

「こんなに小さくなるんですね、始めて触りました」と喜んでいたので

「でも、それ子供のおもちゃだよ、本物じゃないけど」と言うと

「本物の聖剣なんて、掟では本当は勇者以外の者が触ったら罰せられるんですよ。だから聖剣を自由に触れる人を尊敬の念を込めて勇者様って言ってるんです」と教えてくれた。

「ごめん、知らなかった。それでみんな勇者様って言っていたのか。そうそう俺の剣は初心者用のハイドロソードだけど、大きさや形はみんな同じように見えるけど他の聖剣との区別はつくのかな」と何気に尋ねると

「確か聖剣には魔導師の刻んだ呪文が入っているので、それを読めば分かるはずですが、さすがにその文字は解読が難しくて、残念ですが私には読めませんね。

どうしてそんなことを私に尋ねるのですか」と不思議がっていた。

 

「ごめん、ごめん、異世界の人は君しかいないので、つい訊いてしまったんだよ。でも、ちょっとこれを見てくれる」と俺が引出しから福袋に入っていた剣と盾を俺の掌に乗せて彼女に見せて

「このおもちゃの剣と盾の名前が分からなくて、呼び出せないんだよ」と言うと

彼女は剣と盾に顔を近づけてよーく見て

「古そうな剣と盾ですね。それもおもちゃじゃなくて、もしかすると本物の聖剣と盾かも、でもそんなことないですよね。平助が本物を持っている訳がなし」

「露天で銀貨1枚で買ったので本物って事は無いと思うけど、でも、本物なら大きい剣のままでしょう」と俺が不思議がると

「呪文も読めなし、私にはこの剣の真偽が分かりませんけど、昔の聖剣は持ち運びをよくするために小さく作り、そして戦う時に名を呼び大きくしたと本で読んだことがあります。だけど、それは相当昔の話ですよ。そんな聖剣が銀貨1枚で売っているとは思えませんけどね」

「そうか、そんな歴史もあったのか。ありがとう望ちゃん、役に立ったよ」と俺はまた剣と盾を引出しに戻した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ