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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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2-1-4

2―1-4

 夕飯の時間より少し前に家に帰ったが、1階で買い物から帰ってきていた母と望が楽しそうに話していたので、俺は「ただいま」の声だけで2階の自分の部屋に上がってしまいベッドに横になった。

 防具を付けての練習は頭部への攻撃が多いので、特に気分が悪くなる。

ただ、今日はそれだけではなかった。

武道大会で経験のある相手の攻撃をどう防げばいいのか答えが出てこなかった苛立ちがそうさせたのかもしれない。


 少しの間、ベッドでぼうっとしていたが、メールの着信がなると南からだった。

「また新しい娘?」いきなり変な内容だったので

「従妹の望ちゃん」と返信すると

「また、従妹?」と興味を持ったのか

「本当の従妹です」と返信すると

「本当、じゃ以前は?」と帰ってきたので、これ以上メールだと誤解を招くので、

「後から連れて遊びに行くよ」と返信すると

「了」と帰ってきて、メールのやり取りは終了した。


 最初の3人一緒の夕飯を食べながら、母と望は夢中で今日の買い物の話をしているが、まだ彼女の表情は少しぎこちなかった。

それもそのはずだ、今日始めて会った人と買い物をして、夕食をして、その家族の一員になることは俺には無理なことだ、それを彼女は上手にこなしているのだ。

 でも、3人だと夕食が明るく楽しいのはありがたい。

俺の暗い気持ちもどうにか明るくなりそうだ。

 

「望ちゃん、この後、空いていますか」俺が食事中に仰々しい言葉遣いで彼女に尋ねたので

「平助、変な訊き方ね、空いていますかって、夜のデートでも誘うの」と母が不思議そうにしていると

「夜のデートはちょっと、まだ未成年ですし」と彼女まで勘違いをしている。

「違う、違うって、隣の南が遊びに来ないかって、2人を誘ってきたんだよ」

「南ちゃんがね、そうなの。行って来たら南ちゃんって面白い娘だから、きっと楽しいわよ。それと東京の大学のことは彼女が詳しいわよ」と彼女に薦めると

「そうですね、こっちでも友達を作りたいので、行ってみます」と彼女も了承したので、お風呂に入ってお菓子でも持って美人な従妹と2人で遊びに行くと南にメールをしておいた。


 南の部屋に入ると、相変わらず俺には訳も分からない本がずらーっと棚に並んでいるが、望は以前から興味を持っているのか「凄い、凄い」と歓声を上げながら一冊一冊本のタイトルを読んでいたが、

 飲み物を持って南が部屋に入ってくると

「南、この娘が従妹の望ちゃん」と俺が紹介すると

「初めまして、平助の同級生の安倍南です」

「そうそう、この娘が南、俺の幼馴染で良き相談相手かな。それで、俺も望ちゃんとは会うの久しぶりだったけど、今高校何年生?」と俺がうまく彼女に質問すると

「高校2年生ですよ、早生まれだけど平助と同じ学年でしょう」と彼女も上手く調子を合わせてきた。


「平助の従妹って何人いるのよ、みんな美人ばっかりね。そうそう、この前のヒカリさんは元気?」と急にヒカリのことを訊いてきたので、どっちのヒカリだろうと思ったが、従妹の光ちゃんの方だと思って

「元気、元気、大学受験の勉強で大忙しだよ」と答えると

「婚約者はちゃんと勉強しているのにこいつは遊んでばかりで」と異世界のヒカリのことを言い始めた。

「うそ、平助、その年で婚約していたの」と望が不思議そうに言うと

「あら、知らなかったの、従妹なのに」と南も不思議そうにしていたので

「婚約なんて、冗談、冗談、まだ先の話だよ」とその場を切り抜けようとしたが、

 年頃の娘はこういう話が好きなのか、ねほりはほり質問攻めに合ってしまった。「詳しい話は俺1人ではできないので、それどころか俺にもよく分からないので、今度ヒカリが来たら詳しく事情は話す」と言い訳して一応勘弁してもらったが、彼女がこの世界に来ることはいつになるやらと思っていた。


 すると、望が部屋に来た時から気になっていたのか、棚の本について南に色々聞き出した。

「私も悪魔とかモンスターとかに興味があるんですよ」と望が南に話しかけると

「それで、それで」と俺にはまったく分らない悪魔やモンスターについて2人で永遠と話し出したので、俺が話に入る余地はないなと、切りの良いとこで南の部屋から自分の部屋に戻ったが、2人で結構遅くまで話込んでいたらしい。

 2人の出会いは南の良き理解者が現れたってことでよかったのだろう。

これが男なら尚更良かったのだが。


 


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