表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
37/634

2-1-3

2―1-3

 昼食後、彼女と2階に上がりこの部屋を自由に使ってくださいと隣の空き部屋を開けるときれいに片付けたままになっている。

「俺の部屋は隣だから困った事があったらいつでもどうぞ」と決まり台詞を言うと

「平助様、午後からもまたアラタ様と練習ですか」と訊くので

「そうだけど、平助様は止めてくれないか、たぶん君と年齢は近いと思うし、俺は様を付けてもらうほどの勇者でもないしね。それでは、平助、望ちゃんにしましょうか」と答えると彼女が笑って同意したので

「俺は午後からはアラタと対勇者用の練習だけど、じゃ君の予定は」と訊くと

「荷物を片付けたら、特にないです」と予定がまだ決まっていなかったので

「母さん、望ちゃん午後から空いているよ」と1階にいる母に声をかけると

「じゃ、お買い物は」と母が1階から大声で言うので

「こちらの世界は初めてですか、こちらの世界でも見てきては、母さんと買い物も楽しいですよ、ついでに今日から要る物を母に何か買ってもらえばいいですよ、

母さん買い物好きだから」と彼女に母との買い物を進めると

「ありがとうございます。平助」と答えたが、平助の呼び方は聞き覚えのある懐かしさを感じたので、少し黙っていると

「どうかしましたか、平助の呼び方が変ですか」と不安がっていたので

「いや、ちょっと。どこか知り合いに呼ばれたような気がしたので」と答えると、彼女の顔が明るくなったような気がした。

「母さん、望ちゃん一緒に買い物に行くって」と大きな声で答えると

「ハーイ,分った」とまた1階から声がした。

「じゃ、楽しんで来て下さい。後の話は夕飯の時にでも」と俺はまたアラタの家に自転車で出かけたが、その後母と彼女はきっと買い物に出かけたのだろう。また夕飯が楽しくなるなと思った。


 剣道場に着いて扉を空けようとしたが鍵が掛かり未だ閉まっていたので、家の玄関のベルを鳴らすとメイド楓さんが出てきて「若様はまだお昼寝中ですので、剣道場の方でお待ち下さい」と俺を連れて行きかけたので、

「今日はどうしたの、調子でも悪いの」と尋ねると「特に」と元気なく答えた。

剣道場に着くと扉を開けてくれたが、アラタが来るには未だ時間があったので、初めて楓さんと少し話をしてみた。

「いつも、冷たい水をありがとう。楓さんは、ここのメイドさんかお手伝いさんですか」と尋ねると

「違います」と俺を驚かせた。

「じゃ、どうしてそんな格好をしているの」

「なんとなく趣味で」と照れくさそうにしていたが

「じゃ、どうしてアラタの家にいるの」

「本当は、アラタ様の弟子です」と更に俺を驚かせた。


 彼女の話によると、アラタは異世界では有名な勇者でかなりの弟子志願者がいるそうだが、彼はそれを全て断っているらしい。彼女はどうしても弟子にしてもらいたくて、この夏に押しかけて無理やり弟子にしてもらったのだが、余り稽古を付けてくれないので毎日稽古を付けて貰っている俺が羨ましいという。

「そうなんだ、弟子だったんだ。じゃ、俺より先に弟子になったから兄弟子だな。

それは違うか、姉弟子か」と言うと、彼女は少し明るくなって

「平助様は、勇者様ですので、私が姉だなんてとんでもない」と謙遜していたので

「じゃ、アラタに俺と一緒に練習できないか頼んでやるよ。

それと平助様は勘弁して、ん、平助って呼んで下さい」と言うと

「本当ですか」と更に明るくなって「ありがとうございます」とまた俺の頬にチュをした。

 あいつは、練習とサウナ以外は食うか寝るかだ。女心をまるで分ちゃいないと思ったが、以前俺もヒカリに同じ事を言われたと思わず笑いがこみ上げてきた。


 昼寝から目覚めたアラタはすっきりとした顔で剣道場にやって来ると、俺と楓さんが話し込んでいたので

「平助、いつからお前は硬派からチャラ男になったのか」と冗談を言うので

「楓さんから話は聞いたぞ、学園ではあれだけもてるのにお前と言う奴は女心をまるで分ちゃいない。早く彼女でも作れ」と冗談で返すと

「なんだ急に彼女を作れとは」と少し不思議がっていたので

「俺との練習に楓さんも参加できないか」と尋ねると

「あぁ、俺も以前から考えていたところだ」と答えると

「ありがとうございます」と彼女は喜びの余り今度はアラタに飛びついての頬にチュをしたので、アラタが赤い顔になり「だから、俺は女性が苦手なんだよ」と照れくさそうにしていたが、俺は,何だ楓さんのチュは誰でもいいのか、あれは一種の癖だなとガッカリした。


 3人が剣道場に入るとアラタから対勇者用の作戦が発表された。

「武道大会の制限時間は15分、相手を倒すか、相手が参ったと言えば勝負はつく。相手は腕の立つ勇者だ、半獣とは違い力だけでは押してこない。

相手の動きをよく見てくるので隙ができない。従って、経験のないお前が勇者に勝つには正面切っての力対力、技対技で勝負するのではなく、相手が体力を消耗した時を叩く、この戦法しかないと考えるがどうだ」

「すなわち、逃げて逃げて、最後に一撃で叩けと言うのか」と俺が訊くと

「簡易に言えばそうだが、最大15分逃げ切れるか、それが難しい。

逃げ切るためには体力の消耗を抑えて相手の攻撃を交わさなくてはならない。

すなわち、盾で相手の攻撃を真正面から受けずに、いなすことが出来れば勝機はある。そのためには前にも言ったが相手の動きを見て、相手の攻撃を読むことだ」とアラタは言うが、俺がまだ良く理解していない内容なので

「聖剣は必要ない盾を準備しろ、そして俺の攻撃を読んでいなしてみろ」と俺に盾だけを準備させた。


 すると、アラタは聖剣で盾だけを持つ俺に攻撃してくる。

アラタの攻撃を盾の正面で受け止めると手にズッシと重みが走った。

「そうではない、いなすんだ。俺の動きを見て体で反応しろ」と何度も聖剣で攻撃してきても、どうしても俺には盾の正面で受け止めることしかできずに手首が痺れ出し盾を握ることすらできなくなった。

「5分休憩」とアラタが攻撃を止めると

俺の手首は腫れ上がっていたので楓さんが直ぐに氷で冷やしたが

「これでは体格差のある試合では5分も持たない。まだこの練習は早かったのか。

この練習は負担が大きすぎる、今のお前には無理のようだな。仕方がない防具をつけてくれ、俺の竹刀の攻撃を動きで交わすいつもの練習をやろう」と今日はこの対勇者用の練習は終わってしまった。

 また、いつのも練習なので楓さんも初めて参加し、数時間後午後の練習時間が終わると、俺はゼイゼイ息が上がって床に大の字で寝ていたが、アラタは何か考え事でもあるのか暗い顔で、サウナに行ってくると」1人でいつものサウナへ行ったが、楓さんの今日一番の嬉しい顔が俺の心には残った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ