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アラタの説明によると勇者武道大会とは名前のとおり毎年異世界で行われる勇者のトーナメント制の格闘大会だった。
出場者は前回の優勝及び準優勝者もしくは出場できない場合は欠場者が推薦する者、それに今年のVS魔王軍大会でポイント1万以上の大物を倒した者のうち獲得ポイント上位6人を加えた全8人だったが、なんと優勝者は10万ポイント、準優勝者は5万ポイント、ベスト4だと3万ポイントの賞金が出るとのことだった。
「そんなにポイントを獲得できるなら出場したいが、武道大会に出場しろとは言われても 俺は小物2匹の千ポイントしか獲得していないぞ、これではどう考えても無理な提案だ」と俺が諦めていると
「そんなことは百も承知の上だ。だから推薦してやるのさ、この俺がな。
お前にも以前話したが半獣との戦いで俺はケガをしていて、それがまだ完治していないので猛者ぞろいの大会への出場は無理だ。
それでだな、お前が俺の代わりに出場してみないか。
それに開催場所は共和国の首都だ、上手く行けば姫にも会えるかもしれないぞ」と勧められたが、
「ヒカリに直接会って精算金の理由を聞きたいのは山々だが、お前まだ完治していないだとそれは本当か、あれだけ動けて強いのに。
ちょ、ちょっと待て、推薦してやるだと、代わりに出場しろだと、ひょっとしてお前は去年の」
「あぁ、準優勝者だ。でも、あっさり決勝戦で負けたけどな」と笑って答えたが、
俺は、アラタが準優勝者だと聞いて驚いたが、それよりもアラタをあっさりと倒した相手がいるとは上には上がいるものだと感心した。
「武道大会の出場者は全員で8人、1人でも勝つとベスト4で3万ポイント獲得だ、お前の借金もチャラだ。多額債務者のお前には夢のような話だろう。
だがな、相手も強いぞ、でも、所詮相手は人間なので半獣まではないけどな。
ただ去年優勝した一人を除いてはな」と言っていたが、これで上手くいけば借金は返せるし、もしかしたらヒカリにも会って精算金の理由が聞けるかもしれない、この上手い話は一石二鳥だと俺は単純に考えていた。
アラタはその場で武道大会事務局にメールをして「宮本アラタ、誠に残念ながらケガのため出場を辞退します。なお、その代わりとして中村平助を推薦します」と出場登録申請をしたが、大会事務局が千ポイントしか獲得していない新米勇者を準優勝者の代わりとしてそう簡単に認めるか少し不安がっていた。
「そうだ、あの人なら大会事務局に絶対顔が利く筈だ。念のためにあの人にも推薦状を書いてもらおう。この前の借りをたっぷり返してもらわないとな」と別の誰かに連絡をしていた。
「平助、大きな目標が出来たな、これで練習にも少しは身が入るというものだ。
だが、対戦相手は全て腕の立つ勇者、すなわち聖剣対聖剣となる。
自分の持つ聖剣をどれだけ使いこなせるかが勝敗の鍵になるはずだが、お前はまだ聖剣を使いこなせていない。そして、相手はファイアーソード以上の聖剣を使う筈だが、お前は初心者のハイドロソードしか持っていない、これから勝つ練習を」と話しを言い終わる前に大きな掛け時計が「ボーンボーン」と鳴ると
「じゃ、朝の練習の時間だ。剣道場へ行くぞ」と話の途中だったが剣道場へと行った。
残っていた楓さんが俺に近づき「平助様、武道大会頑張って下さいね。それと、プラネタリウム、私も行きたいです」とまた頬にチュをして応援してくれたが、まだ出場できるかも分ってもいないのに不思議な人だ。
でも出場が決まるとどんなご褒美をくれるのだろうかと鼻の下を伸ばしていると「うふふ」と彼女は笑っていたが、あのヒカリの事はきれいさっぱり忘れて、笑顔がかわいい楓さんを今度時間が出来たらプラネタリウムにでも誘おうかと決めた。




