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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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2-0-1

2-0-1 8月20日金曜日

 ピポピポピー、けたたましくいつものように朝6時に目覚ましが鳴り、目が覚めると、いつもと同じ2階の狭い自分の部屋、同じシングルベッドの上、同じパジャマだった。

 今日の寝起きは良くなはい。いや寝ていないのだ、頭の中は本部事務局から昨日着た精算金の請求メールの件でいっぱいだったからだ。

 いつもなら、ヒカリの虜になっている俺は彼女への悪い感情は一晩寝てしまうとすっかり忘れてしまう筈なのに今日は違っていた。なぜなら

「騙された。たった1週間で恋人が出来る訳がない。

それもあんなかわいい娘と婚約なんて出来る筈はないんだ。

そうだ、騙された、お試しだと、やっぱり美人局だったのか。

ヒカリの奴は俺を騙しやがった。あの野郎、純真な俺の恋心を持て遊びやがった」が昨夜から頭の中をグルグル駆け回っていたからだ。


 それにしても、3万ポイントをどうやって返済しようか。

無一文の俺にはまったく返済の当てがなかった。

今からバイトをしても無理だし、母にお小遣いを頼んでみても額が違う、ヒカリに連絡を取ろうにも異世界にはスマホは当然通じない。

 では、どうしよう? そうだ、ヒカリの話だとアラタは彼女とのお相手モンスター契約を再三延長しているのでお金の話は詳しいはずだ。

一文無しの俺には支払い期限が後11日あってもどうしようもない。

仕方ないのでアラタにでも相談するかと、急いで朝ごはんを食べて、いつもより早く剣道場へと急いだ。


 自転車を飛ばして剣道場へ着くとさすがにまだ扉は閉まっていた。仕方が無いのでアラタの家へ急ぐと、早朝とはいえ大量の汗を掻きながらベルを鳴らした。

 メイドの楓さんが出てきて「若様は食堂の方に、平助様も朝早くから忙しい方ね」と笑って、初めて俺を家の中へ入れてくれたが、玄関を入って、通路を通って別棟へ移動しエレベータで5階に上がると、俺の家が一軒丸々入る広さの食堂でアラタが1人で座っていた。

「今日は朝早くから何だ、もう少しで練習だぞ」とアラタは優雅に食後のコーヒーを飲んでいた。

「すまない、お試しモンスターの契約の件で相談したいことがあるんだ」と本部事務局から来た精算金のメールを見せると、アラタは非常に驚いた顔で

「何だこの額は、精算金が3万ポイントだと信じられない。お前には身に覚えがあるのか、それで、大切な姫に何をしたんだ、どうしたらこんな額になるんだ」と飲んでいたコーヒーを吹き溢していた。

それを横で見ていた楓さんも3万ポイントと聞いて驚いていたが、俺を見る目が少し冷たかった。


「身に覚えなんて何にもない。ただ、彼女と2人でプラネタリウムと映画を観に行っただけだ、それなのに3万ポイントの請求だ、俺の方が驚いんだ」と俺が弁明すると

「嘘を言うな、お試し契約の1週間の延長が1万ポイントなのに、3万ポイントだと、何をしたんだ本当に心当たりはないのか、ここでよく考えて見ろ。

それだけあれば後3週間は姫と一緒にいられたんだぞ」

 俺は、お試し期間の1週間の延長が1万ポイントだったとは、全然知らなかった。3万ポイントあったら、後3週間、残りの夏休みの間ずーっとヒカリと楽しい生活が出来たのにと自分を責めた。

 待てよ、そんなことはない、あの女に騙された、完全に俺は騙されたんだ。何がお試しだ、くっそう今度あったらただでは済まさんぞ。

でも、今更何を言おうと、何を言われようとどうしようもない。


 無一文の俺には、どうしようもないので、いきなりアラタに土下座して

「お願いだ3万ポイントを俺に貸してくれないか」と頼むと、横で見ていた楓さんはポカンとしていたが、

「さすがに3万ポイント、平助は、一文無し。無利子、無担保どうしようか」とアラタは少し考え込んでいたが、なにか名案が浮かんだらしく顔が明るくなって

「この友達思いの宮本アラタ、貸してくれと頼まれると貸さなくもないが、一つ条件がある、その条件を飲むなら貸してやろう」と何か思惑がありそうだったが、背に腹は変えられないので、

「何だ条件とは、俺に出来ることは何でもするから3万ポイントを貸してくれ、お願いだ、このとおり」と更に頭を深く下げると

「そうか、条件を飲むのだな、分かった。今からでも直ぐに3万ポイント貸してやろう」と俺からスマホを取り上げるとピーピープーとアラタの認証番号を入力してログインし、本部事務局のメールから清算手続に入り、簡単に3万をオンラインで支払うと

「これで精算金の支払いは完了した。平助、お前は今更否だと言って逃げられないぞ。それで、俺の条件はたった1つ、今度の勇者武道大会にお前が出場することだ」と俺を驚かせた。


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