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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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1-0-3

1-0-3 共和国警察庁長官執務室にて

 その頃、共和国の首都では旧王国の復興を企てる集団によるテロなどの事件も起こり、共和国中枢部はどの部署においても慌しく対策を練っていた。

 職員が慌てて警察庁長官執務室へ入ると、

「長官、国宝の聖剣と盾が博物館の貯蔵庫から盗まれました」

「博物館の警備の手が薄くなると途端にこうだ、大会に多くの人員を割くからこうなる。これも大会のせいだ。それで盗まれた聖剣と盾の名は」

「はい、聖剣ライトニングソードと盾カーボナイトです」

「聖剣ライトニングソードと盾カーボナイトか。

あの剣は別名真実の剣とも言われ、悪魔やバンパイアの変身を解き、呪縛まで破ると伝わる剣、盾は闇を支配し相手を呪縛すると伝わる盾。

それに現状は小さい剣と盾だ、国外にでも持ち出されたらもう見つけ出すことは難しくなる。早く見つけ出さないと大変なことになるぞ。

それで、物件の手配の方はどうなっているのだ」

「はい、駅及び空港それに国境の全てには検問所を設け通行人の手荷物は丹念に調べ、大きい荷物はX線で検査しておりますが、いまだにそれらしき物は発見されておりません」

「では、異世界へ持ち出されたのか、送喚の方の手配は」

「はい、事件発覚後、即刻送喚は中断させておりますが、大会終了後既に既参加者5名及び初参加者5名の計10名が元の世界に送喚されております」

「勇者か、その勇者どもの身元は確認しているのか」

「はい、送喚者10名全てにつきまして身元は確認しておりますが、初参加者5名のうち二次召喚者2名、三次召喚者1名に付きましては、既に特捜本部から身辺及び素行調査のために監視役を派遣しております」


「商業主義の大会本部め、放映権の値段を吊り上げるために大会を大きく見せようと役にも立たない三次召喚までして、勇者と言っても名ばかりではないか。それで、犯人の目星は付いているのか」

「はい、仲介役と思われる露天商を捕まえてただ今尋問しているところですが、なにせ強情な奴で口が堅くて、一向に吐きません。ただ旧王国との関連がありそうなので報告に伺いました」

「分かった、新しい情報が入ったら直ぐに報告するように、それと、この件は他国、特に魔王国とバンパイア王国には絶対知られないように」と忠告すると、職員は執務室から出て行った。


「くっそう大会本部め、大会に人員をよこせなどと言い腐って、こうなることは分かっていた。

何か事件が起こっても大会本部は責任も取らず知らん振りで、後始末は全てこちらに回ってくる。

それにしても盗んだ剣と盾をどうやって起動させるのだ。

あの剣と盾は名を呼んだだけでは起動しない聖剣だ、そのままでは単なる小さな剣と盾にしか過ぎない。あれからもう数百年は経っているので起動できる王位継承者は1人もいないはずだが。

今更何が目的で伝説の剣と盾を、旧王国の復興を願う者かそれともバンパイア王国の王位を狙う者か、まさかテロリストがどこかの国でテロでも起こすつもりなのか、旧王国を倒して共和国が設立してやっと20年、共和国と魔王国が協定を結び平和になって数年しか立っていないのに、この国でテロでも起こされたら大変なことになるぞ」


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