6-0-1
6-0-1 4月上旬
ヒカリとは3月の末までこちらの世界で一緒に過ごした。そして俺の色々な相談に乗ってくれてたが、その中でも一番大きな問題はフラン公国の聖剣の名前だった。
フラン公国に召喚された時、俺は聖剣は水属性だと疑わなかった。
それはサオリ姫が水属性の勇者を探していて俺を召還したからと説明したので当然聖剣も水属性だと思ったからだ。
しかし、姫様達に会ってみるとそこには勇者はおらず、それに聖剣については誰も何も知らなかった。そして水運びの際の体力の消耗の激しさはもしかしたら俺との属性が合っていないのが理由かとも思った。
それに姫様から聞いた言い伝えを思い返えすと聖剣の一振り目は稲妻が走ったかだ。
だから今俺は聖剣は水属性だとの考えは疑っている。
ただその属性を調べる方法は聖剣に宿る精霊を見極めるしかないのだが、今の力の俺が見極めるには精霊が極端に少な過ぎるので無理だ。それで新年度の公務が始まり異世界にまた戻るヒカリに色々調べ物を頼んでフラン公国で会う約束をして分かれた。
そして俺も何時もの様に一人に戻ったけど午前中は剣道部、午後はアラタ達との練習もあるので、また剣道漬けの生活に戻っただけだった。
しかし、あと1週間で3年生の新学期が始まるのだが受験勉強にまだ手を付けてはいなかった。何事も楽天的な俺でさえこのままでは拙いと心配になってきた。
それで既に受験勉強を始めている南に選抜大会に応援に来てくれたお礼と、これから受験勉強はどうしたら良いのか相談をしに久しぶりに部屋を訪ねたのだが。
「それで、今日は何しに来たのよ? 私は勉強が忙しいのよ」
「そう言わずにお願いだから俺の相談に乗って欲しいんだ」
「相談は別の人にすれば良いでしょ」
「そう言うなよ、あいつは元の世界に帰ってんだから」
「そうなの、じゃ早くして。今問題を解いていた途中なのよ」
「それでだが、彼女から聞いたけど南が名所旧跡に興味があるとは知らなかったな」
「はあ? 今更何を言っているのよ、もう忘れたの?」
「何を忘れたって、今日はお前の好きなお菓子を持って来なかったが、そんなにお菓子が食べたかったのか?」
「もういいわよ。忘れているのはお菓子じゃなくて、私の先祖が有名な歴史上人物の安倍晴明って事よ」
「誰だその人は、昔の首相かそれとも戦国時代の有名な武将か? もしかして将軍ではないだろうな」
「前にも話したでしょう、私の先祖は平安時代に6代の天皇に天文陰陽博士として仕えた有名な人よ。高校の日本史には出てこなかったけど、映画やドラマにはよくなるから結構有名なのよ」
「そうなのか、すっかり忘れていた。じゃ平安時代って江戸時代の前か後か?」
「尋ねた私が悪かったわ。これ以上説明するのに疲れるから・・それで何の相談でしょうか?」
「実は今日は受験勉強で相談しに来たんだ」
「えぇっ、あんたが受験勉強の事で来るなんて、試合で頭でも打ったの、それとも熱でもあるの?」
「そんなバカな、俺は体が悪くならないと勉強しないのか」
「冗談よ。確か平助は文系でしょ、そろそろ受験校と学部学科を決めて対策をしないと間に合わないわよ、でもまずは模擬試験を受けて今の実力を知るのが大事ね」
「模擬試験か・・せっかくの休みの日曜日に試験とか嫌だな」
「誰も日曜日に試験は嫌だけど、これを受けないと自分の偏差値がどれぐらいか分からないでしょ」
「そうだな。ところで俺の偏差値ってどれくらいだろう。全然模試とか受けた事がないので分からないや、南は分るか?」




