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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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1-7-1

1-7-1 8月7日土曜日

 ピポピポピー、けたたましく朝6時に目覚ましが鳴り、いつものように目が覚めるといつもと同じ部屋、同じパジャマ、同じベッドの上だったが今日も少し狭く感じられ、手に柔らかい感触が、目をやるとパジャマ姿のヒカリが横に寝ている。

 昨夜俺の部屋を出るときに「じゃ明日朝にでも」とか言っていたのは母との買い物に行く件だとばかり思っていたのに、このことだったのか。

「俺の決心は固いので机の木槌と杭は南に返すように」と彼女には強く言っておいたのだが、机の上にはまだ木槌と杭がそのままに置いてある。

横にある作りかけのパズルのように埃を被ってしまいそうだ。

 意志が硬いのはいいけど強情なのは後々少し困りものかなとこの先のことを考えてしまった。


 まぁ、そんな先のことより、今日はヒカリとは半日会えないので少し寝坊して母から叱られてもいいと寝ている彼女に手をそっと回し軽く抱きしめたが、運がいいのか起きない。遂にこんな日が来るとは思いもしなかった。

昨夜の悔しさは何だったのだろうか。

そのまま数分ほど抱きしめていたがなかなか起きないのでかわいい寝顔を見続けられた。こんなにも長く彼女を抱きしめることが出来るなんて

「今日はなんと人生最高の日なんだ。生んでくれた父と母にありがとう」と感謝した。

 

 そろそろ母が起しに来そうなので手をそっと抜いてベッドから起きようとすると、彼女が俺のパジャマの裾をギュウと握り俺を引き止め、自分の頬を指差して「おはようの挨拶は?」とねだってきた。

 俺は何のことだろうかと思ったが、まさか、こいつ昨日の朝のこと全部覚えていやがるな、それで頬を指差したのか。俺は少し恥ずかしくなったが、

ちょっと待てよ「朝は弱いの」とか言っておきながら、もしかしてこの1週間朝ちゃんと起きていたのでは、あれは全部単なる朝寝坊だったと怒りがこみ上げてきたが、早くしないと母が部屋に起しに来るのが怖くて軽く彼女の頬にチュだけをして急いで1階に下りていくと

「平助、今日は早いのね、まだ5時55分よ」と母は朝ごはんの準備をしていた。


 はて、俺は6時を15分ほど過ぎているかと急いだのに6時の5分前だった。

そっか、あいつ俺の部屋に来て目覚まし時計を20分ほど進めて横に寝やがったなと少し笑いがこみ上げそうになったが、そのお陰で幸せな時間が長かったので朝寝坊の件で彼女を怒こる気がなくなったしまった。


「ちょうど6時よ。ヒカリちゃんを起こしてね、でも今日も駄目かしら」といつもの時間になったので母が残念そうにしてた。

「今日は大丈夫だよ、ヒカリちゃん、昨日は早く寝たから。俺が起してくるよ」と俺は2階の自分の部屋に戻ってみたが彼女はやっぱりいなかった。

 直ぐに隣の部屋のドアを開けるといつものように完全に熟睡していた。

ベッドに近づいて「もうその手は通じないぞ、寝坊助」と薄い掛布団を剥ぐと

「もう1時間だけ」と本気で引っ張り返してきたので、あっさり取り返されてしまった。朝からもめるのは否だったので「じゃ、後30分だけ」と言ってドアを閉めて部屋を出たが「あっ、しまった」この優しさが駄目なんだなと思った。


 ヒカリと後2日しか一緒に居られないので折角だからと、母と話をして朝ごはんを少し遅らすことにした。

それから俺が少しお腹がすき始めた頃にすまなさそうにヒカリは起きてきて、彼女がここに来て初めて3人で朝の食卓に着いた。

 母と彼女が今日はどこどこの店でお買い物して、どこどこでお昼を食べてと楽しそうに話をしているのを聞くと俺もなんだか楽しくなった。

 母との会話の無い朝は何年続いたのだろうか、小学生以来ずーっと続いていたのだろうかと考えていると

「そうそう、平助の用事って何なの、一緒に来ないの」と母が尋ねてくるし

「平ちゃん、やっぱり来ないの」と彼女も誘うけど、今日からアラタに稽古をつけてもらう決心は変わらなかったので、その決心が揺がないように2人が外出するよりも先に自転車で家を出た。


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