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「それで部屋に戻ったら、王族の認証カードは一先ず私が預かる事にするから」
「おいおいそれじゃ結局俺の賞金は自分では使えないのと同じじゃないか」
「あら、夫婦のルールを忘れたの、平ちゃんはお小遣い制でしょ」
「確かに君とお小遣い制を約束したけど・・」
「ちゃんと皆と食事に行く分のお小遣いは増やしてあげるわよ、それに・・」と彼女が更に言おうとしたが急に止めたので
「それに・・って何だよ、途中で止めるなよ、気になるじゃないか」
「正直に話すと、平ちゃんが王族の一員になったでしょ、だから毎月お手当てと言うか報酬と言うか・・、少しお金が頂ける事になっているのよ」
「それは本当か、俺に毎月報酬が入るのか、これは凄いぞ。休みにバイトをしなくて済みそうだ」
「だから無駄遣いしないように私がそのカードを預かるのよ、でも平ちゃんが必要な時には何時でもカードは返すから安心して」
「そうだったのか、それなら仕方ないな。2人の将来の為にちゃんと君がお金を貯めてくれるんだね」
「勿論私が確りと貯めるけど、報酬を貰うって事はそう良い事ばかりが有る訳じゃないのよ」
「何だ、その訳有りな言い方は?」
「だから、その報酬の対価として色々仕事の依頼が来るの、所謂公務と言うやつが来るのよ」
「俺に仕事が来るのか、学校も有るしその公務がちゃんと出来るのか心配だな」
「それは向こうも考えてくれると思うし、無理なやつは上手く理由を付けて断れば良いけどね」
「そりゃそうだろう、学生の俺に難しい仕事を依頼しても無理だな」
「でも平ちゃんは有名な勇者様でしょ、だからどんな難題を依頼してくるか心配なのよ」
「やはり勇者としての仕事なのか、軽いバイトとは違うよな、そりゃ大変だ」
「向こうも薄給で有名な勇者を利用できると思っているんじゃないのかな、難しい仕事の依頼はちゃんと別料金を貰わないといけないわね」
「流石に君は確りしているな、じゃこれから俺のマネージャーとしてもお願いしますよ」
「お任せ下さい。これからバリバリ働いて貰って確りとお金を貯めますから」
「それで、賞金とは別に今回の賭けの儲けはどれぐらいだったの?」
「正直に言うと今回は意外と少ないんだよね。だって2人が引分けたのでその賭け金は払戻しになるから、儲けは私が勝った分しかないし、その上私の倍率も低いのよね」
「でぇ、どれぐらい儲けたんだよ?」
「ん・・金貨2枚かな、もう少し儲けると思ったんだけどね」
「それでも金貨2枚とは、やりくり上手。それで好きな物でも買うのかよ?」
「買うつもりだけど、でも半分はちゃんと貯金するわよ」
「それで、俺は学校が有るから明日早朝には送喚してもらいたいけど、君はどうするの、俺と一緒に戻るの、君が望むならもう少しここに残っても良いけど」
「そうね、こちらの用事もまだ有るしね」
「用事って何かな、もしかしてまだ難題が残っているの?」
「難題じゃないけど、一応王族の姫様としての公務があるのよ、警察の仕事をしていてずっとサボっていたでしょう」
「じゃ、警察を辞めても無職じゃないんだ」
「無職と言っても国に戻れば公務はあるのよ、それに色んな団体の名誉理事長や会長もやっているし大変、でも薄給だけどちゃんと頂くけどね」
「御見それしました」
「平ちゃん、何度褒めても無駄よ。屋台のチョコバナナは買わないわ」
「うっ、気付いていたのか、それにもう財布の紐を締めてくるとは・・」
ヒカリは昨日見たお店にまた行くと何着が服を買ったが大した額ではなかった。それから2人で南や楓のお土産を探し、夕方には宿に戻った。