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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-7-2

4-7-2

ゴソゴソと音がすると俺の後ろから声が聞こえた。

「誰が、もういい年で食い意地が張っているですって、お姫様に失礼な事を言うとこの国だと不敬罪で逮捕されるわよ」

「おっ、来ました、来ました。こいつが婚約者のヒカリです、生意気ですけど可愛いでしょ」

「平ちゃん、こいつって、私はこれでも高貴なお姫様ですよ、皆さんにもっと丁寧に紹介しなさい」

「すみません、えぇ・・皆さん、改めましてこの方が俺の婚約者でヒカリ姫です」

「おう、こりゃまた小さくて可愛いお姫様だな。本当に平助君が羨ましいな」

「まぁ、正直な方ですのね」

「ん・・でも良く見ると誰かに似ているような・・」

「本当にこの国のお姫様達は血族のせいか顔が良く似ているので困るんですよ。それで俺もよく他の姫様と間違えてしまって・・」

「もう失礼ね、可愛い婚約者を間違えるですって、信じられないわ。今夜は部屋でお仕置きですよ」


「二人でお仕置きとは羨ましい。それで君達はどうやって知り合ったのかな、どこかに出会いの場とか有るのかな、今後の勉強の為に俺に教えてくれないか?」

「あぁ、こいつはおまけです・・」と俺が正直に話そうとすると、ヒカリは俺のすねを昴さんには見えないように思いっきり蹴った。

「イタッ」

「あら、虫にでも刺されたの? 外の食事会はこれだから嫌いなのよ。そう、私達の出会いは私が公園で落し物をしたら平助が偶然に通りかかって親切にも一緒に探してくれたんですよ」

「そう、そうだったよな、偶然公園で出会ったんだよな」

「それから、仲良しになって、色々お話をして・・」

「公園で偶然にか、出会いってそんなものなのかな、でも俺が出会うのは犯罪者ばかりだからな」

「まぁまぁ、きっと昴さんにも良い出会いが有りますよ」


「それですみませんがお姫様、例の強いお姫様はどこに行かれたのでしょうか?」

「従姉のお姉様なら、王様に用事あるとかで別室に行かれましたわ」

「従姉でしたか、どうりで似ているなと・・。そうですか王様の所でしたか、それは残念だな」と落胆していた所に、アラタが他の人との雑談が終わったのか、また俺達の雑談に加わり話題が変わったので助かった。


「それより昴さん、本部長さんがよく出場してくれましたね」

「それだがね、こちらも出場選手が居なくて困っていたんだよ。急遽俺と本部長が警察長官に呼ばれてね、それで仕方なく。前日まで仕事でバンパイア国に行けとは宮使いは辛いんだよ」

「それは大変でしたね。主催者ももう少し時間を考えてくれれば良いのに」と俺が言うとヒカリが今度はギュッとお尻を捻った。

「イタッ」

「また虫に刺されたの、平助はよっぽど虫に好かれているのね」


「それで、お2人はこれからどうするの?」と昴さんが尋ねるので

「召喚が明日の早朝ですので街でもまた散歩しますか?」と彼女に尋ねると

「そうねそれが良いわね」

「お前は姫様と仲良く2人して散歩で良いけど、俺は独りでどうすればいいんだ。持ってきた本は全て読んでしまったし暇だな」とアラタが珍しく少し拗ねたので

「だからお前には可愛い従妹を紹介するって言っただろう、それを結構だと断ったんじゃないか、1人が寂しくてまだその気なら今直ぐにでも良い子を紹介するぞ。まだそこら辺に従妹が大勢居る筈だ」

「その話は断っただろう、俺は2人で騒ぐより1人静に読書するのが合うのさ」

「今の話は本当かい? 平助君が彼女を紹介してくれてアラタ君がそれを断るなんて勿体無い。彼女を紹介してくれる友達が居ない俺からすれば羨ましい事だ、アラタ君、そのうちできると思って断ると一生彼女はできないぞ」


「もしかして昴さんには彼女が居かったんですか、昴さんは人気が有ると思ってましたけど、彼女が居ないとは信じられないな」

「人気が有るのは男性からで女性は皆無だよ、それで彼女は居ないんだよ。それに仕事が深夜まで有るので出会いも無くって、休日は洗濯と掃除で外には出ないし・・」

「そうですか、それならもしバンパイア族の女性でもよければ俺が紹介しますよ」

「そうかい、それはありがたい。じゃ悪いけど俺にちょうど良い年頃の女性は居ないかな、できれば優しくて美人が良いけど、それに半獣に変身しない女性をお願いします」

「うわ、理想が高いですね。ヒカリどうだい、そんな絵に描いたような女性が居るかな?」

「失礼ね、ほら貴方の目の前にその絵に描いた様な女性が居るでしょ」

「そうでした、ここに居ました。でも君は予約済みだしな」


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