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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-6-7

4-6-7

それからこのような両者の聖剣の技を使わない攻防が続いたが、試合時間が短いので昴さんは聖剣に力をこめ振り下ろしアラタがそれを確りと受け止めると、体格差を利用してそのままぶち当たってきた。アラタは体格差では完全に負けているので床に飛ばされ倒されると、直ぐに立ち上がったが、ぶち当たりは剣道の練習で何度もやられているのだろうが、ここまで本気で当ってくるとは、昴さんのこの試合への本気度が分ったが、アラタはこのような試合の流れを予想していたのか焦りは見えなかった。


「じゃ、お返しにファイヤーボム」とアラタが叫ぶと凄い勢いで炎が次々と飛び出した。

「驚いた、聖剣じゃなくても技が出せるのか」と予想外だったが1つずつ確実に払い落とすとアラタの炎の火力も上がっているのだろう、冬の朝だと言うのに昴さんはびっしりと汗が流れていた。

「それでは、俺も久しぶりに使ってみるか、君に見せるのは初めてだから驚くなよ。でよ大地の力、ウッドコンボ」と叫ぶと、床から大木の杭が次々に出てきてアラタを攻撃し出した。

「おいおい、何だあの技は、床から杭が出てきたぞ、アラタを串刺しにでもするつもりか。

それにしても昴さんは木の属性だったのか」と俺も始めてみる攻撃に驚いたが直ぐに気が付いた。

「それなら、よかった。炎で全てを焼き尽くせ、ファイアーウォ-ル」とアラタ叫ぶとが床から炎の壁が出てきて大木の杭を全て焼き払った。会場を黒い煙が立ち込めたが、2人にはそんな事は関係なかった。


「やはり、木は火には勝てないか」と昴さんは悔しそうにしていたが

「残り時間3分」とのアナウンスが流れると

「では、得意の火が使えない技にはどうするかな。じゃ、力を全開しますか」と昴さんは会場の端に逃げて聖剣を床に刺し短めの呪文を唱え最後に気合を入れて

「フロアークラシュ」と叫ぶと、床がまるで水が張られた田んぼの様にグチャグチャになり、アラタの足が嵌り込むと

「しまった、床は木でできていたのか。足に力が入らない、このままでは立っていられない、くそ足も抜けない」

仕方なく足を取られて体制を壊したので立て直そうと聖剣を床に刺すと床の中にズブズブと沈んでしまっていた。


昴さんは今だと全力を注いで聖剣を振って飛び込んできた。

「しまった、剣が手から離れてしまった。もうファイアーウォールは出せない。聖なる盾よご加護を」と心の中で願うと身に付けていた聖なる盾が大きくなり、昴さんの攻撃を間一髪で跳ね除けたが、その衝撃で聖なる盾も飛ばされてしまった。

「盾も無くなった、もう君を守る物がないぞ。棄権をするかい?」

「まだまだですよ、俺にも秘策がありますから」とその誘いを拒否すると

「じゃ、この攻撃はどうか」と昴さんが更に聖剣を振りかざして攻撃を仕掛けてきたが

アラタは懐に手を突っ込むとニヤリと笑い

「いでよファイアーソード」と叫ぶと、おもちゃの剣が大きくなって昴さんの攻撃を防いだ。

「何だ、聖剣も持っていたのか、くそっ騙された」と昴さんは悔しがっていたが

「おもちゃですけど、後30分は使えますよ。では今度は俺から攻撃しますよ」と聖剣を振り上げたが

「ブーブー」と試合終了のブザーが鳴り試合時間10分が過ぎてしまった。


「時間切れか、これからだったのに」とアラタは悔しがっていたが

「今日はここまで充分だろう、俺にもまだ出していない技があるので次回の試合が楽しみだ」と床にかけた技を解くと、床が元に戻り審判が2人の真ん中に割って入り両手を高かく振ると、声援が上がったが意外にも両者は中央で握手をするとあっさり観客に手を振っていた。

「両者 引分け」と審判からの正式なコールがあると

「アラタさまー、素敵」との黄色い声援が次々と上がった。

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