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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-6-5

4-6-5

「拍手が大きくなったわ。観客は満足したかしら、でもこの技は手が疲れるのよ。腱鞘炎にでもなると困るわね」と愚痴が言えるほどまだ余裕がった。

「それでは、これはどうだ。ドドドッ」と彼女に接近し聖剣を上から力強くドスンと振り下ろしたが、彼女がグッとトンファーで受け止めたが、その重さに片方の膝が折れそうになった。

「さすが、優勝しただけの事はあるわね、立っているのが精一杯だわ」

「俺の上段からの振りを受け止めただと・・、ではこれならどうだ」と、そのまま体重をかけて体ごとドンとぶち当たってきた。さすがに彼女もその勢いに押されて床に転げると観客席から酷いブーイングが起こったが、素早く彼女が立ち上がるとブーイングが声援に変わり応援コールが始まった。

「イタタ、だから男の人は嫌いなのよね、力づくで来るから。女性はもっと大切に扱ってよね」とダメージは無かった事を示す為に観客席に手を振り、愛想を振りまいていた。


直ぐに相手方は接近戦での力勝負の接近戦が自分には有効だと悟り、彼女に駆け寄ると聖剣に思い切り力を込めてドスンと上から振り下ろしたが、彼女が更に両足を踏ん張ってグッとトンファーで受け止めると、またそのまま自分の体重をグイッとかけて体ごとガンとぶち当たってきた。今度も床に倒れたかと思われたが、起き上がりコブシのように直ぐに立ち上がってきた。

「バカな、女性が俺の体当りを受け止めただと、さっきより強烈なぶち当たりだぞ」と対戦相手が彼女の足元を見ると、彼女の右手にした剣が形を変えて床に深く刺さり彼女を確りと支えていた。


「この剣はこんな事もできるのよ、でもぶち当たられると痛いので貴方の攻撃はこれで終わり。じゃ今度は私の番ね」と床からグイッと剣を抜いて両手で構えた。

「秘儀 狼牙」と気合を入れて叫ぶと、剣の突きの動きが異常に早くなり先端がまるで数十本の槍のように襲ってくる。相手はこれは危ないと後ろに下がり

「アクアウォ-ル」と叫ぶと床から氷の壁が出てきて彼女の攻撃をどうにか防いだが、突かれた壁の氷はボロボロと崩れ始め、床で解けていく。


「ここまでは、平ちゃんと同じね、じゃこれからは、秘儀 コーク狼牙」と叫ぶと剣の先がドリルのように変形し、それが数十本のドリルのように壁を襲ってくると、氷の壁は粉々に砕け散った。すると歓声が一段と上がった。

「おいおい、あんな技があるとは、俺に隠していたな」と試合を見ていると

「壁が壊されたか、それならアクアフローズン」と今度は相手方が叫ぶと床に落ちた氷が水になっていたが、その水がまるで生き物みたいに彼女の足から這い上がると、次々に凍り出し遂には首の下まで凍り付くと彼女は身動きができなくなってしまった。


「バンパイア族は寒さには弱いと聞いている。これで俺の勝ちだ、次の技はお姫様でもさすがに破れまい。フルフローズン」と叫ぶと、彼女の回りにビュービューと吹雪が起こり、彼女はみるみると厚い氷の中に閉じ込められてしまった。すると観客席からはどよめきと悲鳴にも似た声援が聞こえてきた。

「やはり彼も俺と同じ技を使うのか、でも彼女なら」と見ていると、彼女は氷の中でニコニコしながらトンファーに念を入れてギュッと握り締めると、トンファーの色が代わり急激に振動し足の方から氷がピリピリと割れ始めた。そして氷が粉々に割れて解けてしまった。

「うっ・・寒かったわ。でも平ちゃんの技よりは数段落ちるので、トンファーの技が使えるのね」と冷静だった。


「残り時間3分」とのアナウンスが流れると

「服も濡れちゃったし、風邪を引くと拙いから。そろそろ、死なない程度に」と剣とトンファーを重ねて呪文を唱えると、トンファーが飴のように解けて剣に巻き付くと2本が一体になり見たこともないような武器に変化した。

「おいおい、ここでそれを出すのかよ、後の試合での俺が二番煎じになるじゃないか」

「お前もあの剣が出せるのか、お前達はどんな練習をしてきたんだ、あんな剣は見たことがないぞ」と横でアラタ驚いたが

「アラタ、驚くのはまだ早いぞ、本当に驚くのはこれからだ」


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